橋本side
スタジオの空気が刺すように重かった
理由は簡単で、ダンスレッスン中
意見の食い違いで言い合いが始まったから
けど、いつもその中心にいるはずの寺くんが
今日はやけに静かな気がする
普段だったら、間に入って落ち着かせてくれるのに
ふと横を見ると、顔色が明らかに悪い
橋本「寺くん、大丈夫?」
小声で聞くと、薄く笑って首を振った
寺西「平気、流石にこれ止めなきゃやばいよな」
寺西「俺が止めるべきだよな…笑」
引きつった笑顔を見せながら、止めに行こうとするも
軽く咳をして肩を震わせてる
でも、誰も気づかない。誰も見ていない
橋本「本当に無理してない?」
寺西「大丈夫だって笑」
寺西「将生は心配しすぎ……」
その瞬間だった。
ふっと力が抜けたように身体が傾き、
俺の肩にもたれかかるように倒れてきた
橋本「……っ、ちょ、寺くん?!」
慌てて支えると、目を細めてまた笑う
寺西「ごめん…ちょっと、立ちくらみ……」
まだそんなに強がるんだと、胸が少し痛む
今の俺が風磨くんだったら頼ってたのかな……なんて
橋本「立ちくらみでこんな倒れ方しないです、」
橋本「座ってください」
床に座らせると、ようやくみんなが
こっちの様子に気づく
菊池「え、てら…?」
佐藤「大丈夫?てら調子悪かった?」
なんで気づかなかったのか
呑気なみんなに少しの苛立ちを覚えた
橋本「寺くん、さっき倒れかけたんですよ」
橋本「今日、ずっとしんどそうだったのに……」
橋本「みんながそんな言い合いしてるから!!」
少し声を上げた瞬間、スタジオが静まりかえる
そして、その声に驚いたのか寺くんに袖を掴まれた
寺西「……将生、そんな怒んないで、?」
寺西「俺、まじで全然平気だからさ」
橋本「そうやって、寺くんも頼ってくれないから」
感情が溢れて、声が震える
橋本「俺さっきから気づいてたのに、」
橋本「なんで言ってくれないの、」
ほんの少し涙が滲んで、困ったみたいに
寺くんが眉を下げた
寺西「……ごめん、」
寺西「みんなの空気、もっと悪くしたくなくて…… 」
橋本「…悪くしてるのはみんなだよ」
橋本「寺くんのせいじゃないから、言ってよ」
寺西「なんか将生に怒られるの、恥ずいな」
橋本「なんでよ、いいじゃん…弱いとこも見せてよ」
言ったあと、俺の方が恥ずかしくなったけど
寺くんは観念したように俺にもたれかかってきた
寺西「……じゃあ、ちょっとだけ……頼る」
橋本「言うまで気づかないだろうとか思わないでよ」
橋本「俺がちゃんと見てるから」
喧嘩してたメンバーは全員黙り込み、
気まずそうに目を逸らした
でも関係ない
今は、寺くんを支えることが第一だから
橋本「でも、俺みんなのことまだ許してないからね」
橋本「寺くんはちゃんと休んでから謝って」
寺西「……もちろん」
橋本「ほら、周杜としの!買い出し行ってきて?」
橋本「ほらみんなも、寺くんの看病するよ!」
橋本「みんなでちゃーんと協力できたら許すね」
俺がみんなに指示してると
後ろから小さく笑い声が聞こえてきた
橋本「……てらくん?」
寺西「ごめんごめん、笑」
寺西「……ありがとな、将生」
強がりな寺くんを支えながら、
俺はぎゅーっと抱きしめた
ちょっとでも安心して頼ってくれたらな
なんて思いを込めて
fin
Latte #tszファン さん からのリクエストでした✨
遅くなりました、すみません🙇🏻♀️









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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。