第23話

第18話 堕ちた朱の星達
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2026/06/17 01:54 更新
長い長い廊下を歩きながら、マフユは次に向かう部屋を思い浮かべていた
マフユ
マフユ
次は……朱の部屋カ……
小さく呟く
朱の部屋にはアキトとトウヤ、ビビバスの二人が閉じ込められている
マフユは少しだけ眉をひそめた
マフユ
マフユ
堕とされた時もそうだっタケド……
マフユ
マフユ
あの二人……仲悪いカラナ……
正直な感想だった
二人とも元々気が強い
だが闇堕ちによって性格が歪み、その部分が極端に増幅されている
結果……
顔を合わせる度に喧嘩、会話しても喧嘩、目が合っても喧嘩、息を吸っても喧嘩
そんな状態だった
マフユ
マフユ
今日は何回目だロ……
呆れながら扉の前に立つ
そして扉を開けた
ギィィィ…………
その瞬間だった
ドォン!!
何かが凄まじい勢いで飛んできた
マフユ
マフユ
【バグ】
ビキィッ
空間が歪みマフユの身体がノイズ化する
飛んできた椅子はその身体をすり抜けた
ゴシャアアアアッ!!
後ろの壁へ激突し木片が飛び散る
マフユ
マフユ
……
無言
そして部屋の中を見る
マフユ
マフユ
またやってルシ……
予想通りだった
いや……予想以上だった
部屋の中は滅茶苦茶だった
机はひっくり返り本棚は倒れ床には割れたガラス、壁には拳の跡
もはや戦場だった
その中心で二人の少年が睨み合っている
両方とも額に青筋を浮かべていた
アキト
アキト
ふざけんじゃねえトウヤ!!
ドン!!
机を蹴飛ばす
アキト
アキト
俺のやり方の何が気に入らねぇんダヨ!!
トウヤ
トウヤ
全部ダ
アキト
アキト
アァ⁉︎
トウヤ
トウヤ
お前は単純すギル
トウヤ
トウヤ
力で押せば勝てると思ってル
トウヤ
トウヤ
そんな考えじゃすぐ破滅するゾ
トウヤ
トウヤ
バカ犬が
アキト
アキト
テメェ……!!
ブチッ
何かが切れる音がした
アキト
アキト
誰がバカだコラァ!!
トウヤ
トウヤ
聞こえなかったカ?
トウヤ
トウヤ
お前ダ、バカ犬
アキト
アキト
殺ス!!
トウヤ
トウヤ
やってみロ
アキト
アキト
上等だァ!!
ドゴォッ!!
アキトの拳が飛び、トウヤも殴る
バキッ!!
ゴッ!!
ドカッ!!
普通に殴り合いが始まる
マフユ
マフユ
……
見ているだけで止める気はない
というか止めても無駄だった
数時間前、洗脳された直後この二人は異能力まで使って本気で殺し合いを始めた
結果、部屋は半壊、城の壁は破損し闇ミクは大激怒
そして現在
二人の首には黒い首輪が付いている
能力封印用の首輪だった
闇ミク直々の命令である
そのため異能力は使えない
しかし、身体能力は普通に残っている
つまりただの殴り合いになるだけだった
アキト
アキト
この独裁野郎ガ!!
トウヤ
トウヤ
勝つことしか頭にない犬が何か言ってルナ
アキト
アキト
ハァ!?!?
トウヤ
トウヤ
聞こえなかったカ?
トウヤ
トウヤ
犬ダ
アキト
アキト
テメェェェェ!!
ゴォッ!!
拳をトウヤが避ける
トウヤ
トウヤ
遅イ
アキト
アキト
うるせェ!!
トウヤ
トウヤ
学習能力ゼロか?
アキト
アキト
殺ス!!
トウヤ
トウヤ
それしか言えないノカ?
アキト
アキト
殺ス!!
トウヤ
トウヤ
ほらナ
アキト
アキト
ぶっ飛バス!!
トウヤ
トウヤ
語彙力が終わってル
アキト
アキト
うおおおおオオ!!
トウヤ
トウヤ
バカめ
マフユ
マフユ
……
何だろう……
会話が成立していない
いや成立しているのかもしれない……
本人達だけは
その時
ピキッ……
アキトの頬にヒビが入る
怒りによる亀裂
そしてトウヤにも
ピキッ……
頬に黒いヒビ
互いに地雷を踏み続けている
自然に何も考えなくても……
もはや存在するだけで地雷だった
アキト
アキト
何だその顔!!ダッセェな!
トウヤ
トウヤ
それはコッチの台詞ダ、犬
アキト
アキト
喧嘩売ってんノカ!!オレは犬が嫌いなんダヨ!
トウヤ
トウヤ
最初から売ってル
アキト
アキト
上等だァ!!
トウヤ
トウヤ
来イ、雑魚犬
再び殴り合う
ドガッ!!
バキッ!!
ゴシャッ!!
家具が吹き飛び、壁が割れ、床が抉れる
もはや日常だった
マフユ
マフユ
……
しばらく眺める
一分……二分……三分……
マフユが出した結論は……
マフユ
マフユ
いいヤ
マフユ
マフユ
勝手に堕ちルヨ、この人タチ
結論、『放置』
むしろ何もしない方が早い
マフユ
マフユ
(この調子なら毎日互いを傷付け続けてイル)
マフユ
マフユ
(そのうち勝手に壊レル)
マフユは踵を返した
アキト
アキト
このクソトウヤァ!!
トウヤ
トウヤ
負け犬が吠えてルナ
アキト
アキト
何だとォ!!
トウヤ
トウヤ
事実ダ
アキト
アキト
ぶっ飛バス!!
トウヤ
トウヤ
やってみロ
ドゴォォォン!!
また何か壊れた
マフユ
マフユ
……
扉を閉める
ギィィィ……
なお、閉めても中から怒鳴り声は聞こえる
アキト
アキト
テメェ!!
トウヤ
トウヤ
黙レ!!
アキト
アキト
誰が黙るカ!!
トウヤ
トウヤ
うるサイ!!
ドゴォン!!
バキィ!!
ガシャアアアッ!!
マフユ
マフユ
……
数秒の沈黙
そして……
マフユ
マフユ
主に頼んで部屋バラバラにしてもらおうカナ……
本気だった……
さすがのマフユも思った
一緒にしておく意味がない
むしろ城が危険である
マフユ
マフユ
その方が静かになルシ……
そう呟きながら再び暗い廊下を歩き始めた
背後ではまだ終わる気配のない怒鳴り合いが続いていた
まるで互いを傷付けることだけが存在理由になってしまったかのように
そしてその頬のヒビは喧嘩の度に少しずつ……少しずつ深くなっていくのだった

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