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第1話

レギウスVS不知火(白城の白の上級保安官)
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2025/10/13 23:19 更新
冷たい朝靄が石畳を覆う白銀荘の門前。銀色に輝く鉄柵の向こうから、低く響く歌声が微かに聞こえてくる。  

“遠く…果てしない…”
それは最初こそ淡く静かだったが、次第に重みを増し、空気そのものを震わせ始めた。

門番と警備員が異変を察知し、銀警察へ緊急通報を入れる。荘内から現れたのは、白銀の髪をなびかせ、チェーンソー型の大剣を携えたレギウス=キング。

「――防壁を張るんだ! 中に入れたら終わりだぞ!」

冷徹な指示と同時に、門番たちは銀血で造られたバリア装置を展開。その隙間を縫うように、レギウスは門の外に立つ一人の男へと歩み寄る。

不知火――白い髪、白い瞳、オレンジゴールドのヘッドセットを装着した男。亡き兄・白夜への想いを、歌に乗せて白銀荘へと向けていた。

「白夜……」

不知火の歌声は高まり、空気を切り裂くように響く。

“大事なものは…変わらないまま…初めから…”

レギウスは無言で大剣を構え、チェーンソーの刃を唸らせた。白銀の火花がきらめく。

「開始早々、騒音を発動するとは……最悪」

体内の銀血が蠢く。不知火の歌が“禁断”の域へと変わろうとしているのを、レギウスは察知していた。

“この声 真っすぐ…届けたい いま――”
“あなたの…あなたの…無垢な眼差しが…”

不知火の両腕が黄金の大剣へと変異する。胸元からは白金の蔓がにゅるりと伸び、枝分かれしながら卵型の黄金の実を結びつつあった。

「――ッ!」

レギウスは瞬間的に飛び込み、大剣を振り下ろす。不知火の黄金の双剣がそれを受け止めるが、その衝撃で地面が大きく割れる。

“冷たい世界を…照らしてくれた…”
歌声はさらに激しくなり、白夜への思念が走馬灯のように溢れ出す。

蔓は不知火の半身を覆い、不気味な輝きを放つ実が増えていく。レギウスの白色の瞳に、わずかな嫌悪が宿った。

「姿形が最悪でも希望は持てるのか……ありえない……(そもそもコイツ自体に希望なんてあるのか? 何でこの言葉が出た? 考えたら反吐が出るからやめとこ)」

吐き捨てるように呟きながら、銀血の防衛膜が全身を覆う。禁断の歌による精神干渉を遮断するためだ。

“止めどなくあふれる…想いの全てを…力に変えて放て!”

不知火の双剣が光の奔流となってレギウスを襲う。しかし銀血の壁はそれを弾き返し、レギウスは一気に間合いを詰める。

「くたばれ!!!!」

チェーンソー大剣が唸り、黄金の剣を粉砕する。不知火の胸から伸びる蔓を、レギウスは片手で掴み、力任せに引き千切った。

「がっ…!はあ…っ!」

不知火の歌声が途絶える。

「逝け!!!!」

レギウスの突きが、不知火の胸部を貫いた。銀血の膜が、逆巻く黄金のエネルギーを内部から破壊する。

“誰より…眩しい…ヒカリになること…”
もはや声にならない歌が、虚空へと消える。

レギウスは刃をさらに押し込み、不知火を地面へと押さえつけ、その命を完全に断つ。
白金の蔓はしだいに色を失い、黄金の実は砕け散った。静寂が戻った朝の門前で、レギウスはゆっくりと刃を抜く。

「見事に大地が汚れた……例え謝っても無理」

背を向けた彼は、迷いなく白銀荘へと戻っていく。
その背中を、朝日だけが静かに照らしていた。

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