目は覚めてる 。
でも 、起きれない 。
カーテンの隙間から光が入ってるのが分かる 、
朝だって分かってる 。
でも 、 体が重りがついてるみたいに重い 。
声に出す 。
でも 、それだけ
指一本を動かすのに 、理由がいる 。
理由を考えるのには 、力がいる 。
布団の中が安全すぎて 、外が遠い 。
昨日なにかあったわけじゃない 。
怒られたわけでも 、失敗したわけでもない 。
なのに 、
胸の奥に 、重たい塊がある 。
理由がないのがいちばんつらい 。
原因があれば 、直せる気がするのに 。
そんな事を考えて 、
やっとの思いで体を起こす 。
それだけで息が上がる
洗面所に行って鏡を見る 。
鏡に映ってる俺自信の顔が 、
知らない人みたいに見える 。
元気そうに見せようと口角を上げてみる 。
でも 、すぐに下がる 。
学校に行く日はやっとの思いで行く 。
二人とも 、
いつも通り優しい声 。
返事をするのに 、一拍遅れる 。
声が 、自分のものじゃないみたいに薄い 。
授業が始まる。
黒板の字が読めないわけじゃない 。
先生の声も聞こえてる 。
でも 、意味が入ってこない 。
頭の中に 、霧がかかってる 。
ノートを開く 。
ペンを持つ 。
それ以上ができない 。
考えようとすると 、すぐ疲れる 。
〝 前はできてたのに 〟
その考えが浮かんで 、すぐ自己嫌悪に変わる 。
〝 怠けてるだけ ? 〟
〝 甘えてるだけじゃ 、 ? 〟
何もできない自分が 、どんどん小さく見える 。
昼休み 。
本当は 、食べる元気がない 。
ひづみがパンを半分こにして差し出してくる 。
優しい 。
本当に優しい 。
でも 、その優しさが刺さる 。
〝 心配かけてる 〟
〝 迷惑 〟
って
本当にわからなかった 。
放課後 。
二人が話してるのを 、少し離れて聞いてる 。
楽しそうな会話 。
前までなら〝 普通 〟に混ざれてた 。
今は 、どう入ればいいのか分からない 。
興味がないわけじゃない 。
でも 、感情が動かない 。
笑いどころで 、笑えない 。
好きだった曲をイヤホンで流す 。
流しても 、何も響かない 。
楽しかったものが 、ただの音になってる 。
家に帰ってきて
机の上にある宿題 。
やらなきゃいけない 、
でも 、ページを開いただけで頭が重くなる 。
一問読んで 、止まる 。
考えるのが 、しんどい 。
スマホを見ても楽しくない 。
動画も 、ゲームも 、何も 。
ただ 、時間だけが過ぎる 。
でも 、脳内では
〝 何もできてない 〟
〝 何も役に立ってない 〟
〝 いない方が楽なんじゃないか 〟
そこまで考えて 、怖くなる 。
夜 、
ひづみとらみからの
メッセージ 。
『 ひづみ / 今日 、顔色ちょっと悪かった 』
『 らみ / 明日もしんどかったら言ってね 』
胸が 、ぎゅっとなる 。
ありがたい 。
でも同時に 、
そう思ってしまう 。
返信を打つ 。
『 大丈夫 』
って 。
嘘だって分かってる 。
でも 、本音を説明する力がない 。
ベッドに横になる 。
何もしてないのに 、疲れ切ってる 。
理由のない重さ
動かない体
鈍い思考
何も感じない心
それでも 、朝はまた来る 。
今日も 、ちゃんと生きた 。
それだけで 、 毎日がぎりぎり 。
それだけで 、
俺には精一杯だから 。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。