中学校の入学式の会場でクラス名簿を見ながら
モモカが嘆いた。
親友のマリンが慰めた。
そう、モモカは小学校の時から好きだったヒロ
アキとクラスが違かったのである。
ため息ばかりつきながら始まった、入学式。
そして新しいクラスに向かう。
と、またため息。
みんながガタガタとプリントを出す。
モモカは出席番号が割と早かったからすぐに順番が来た。
だが、しかし。
前の男子が「あれー?ないなー?」とプリント
を探していた。
モモカは(いやーこれ探すの手伝った方がいい
のかな?いや、初対面の女子に色々やられるの
嫌かな?)と思いながらも遅かったから、
「うん、プリント見当たらないんだよね。」
「うん!お願い!」
ガサゴソ探してみる。..........ない。
と言うと、男子が「せんせーありませんでし
た!!」と叫んだ。
良かった、一件落着。
と思ったら、
その男子が「ありがとう!」とお礼を言ってく
れた。
その時モモカは(あ、この人のこと好きになる
かも?)と思った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。