前に立ったままのバンチャンが、ゆるやかに微笑んだ。
……本当に、“学園最強”って呼ばれてる人なのか?
本当に強いことは去年沢山見たから分かってるけど
そう思ってしまうほど、彼の声と表情は穏やかで、威圧感なんてまるでない。
体格も存在感も大きくて、でも、言葉一つで空気を和らげてしまうのが不思議だった。
隣に目を向けるとチャニヒョンから目を背けてる
リノさんが目に入った。
顔が整っているというのは噂には聞いていたけど
あまり表に出ないから直接見たのは今日が初めてだ。
ただ、
……目、大きすぎないか。
ほぼ目で出来てる顔面初めて見た。
そんなことを考えていると
彼が気だるそうに手を挙げた。
彼の視線が一瞬こちらに向いた気がして、スンミンは思わず目を逸らした。
なんかリクスと波長が合いそうだな…
妙に明るい。
そのエネルギーに圧倒されそうになるけど。
でも、いい人そうだよね。
うん、面倒見が良さそうな感じがする。
軽い口調で声が飛んできたかと思えば、
髪をふわっと揺らして立ち上がる姿。
目が合わない
緊張…してるのかな
へー紙で描いたら生成できるんだ。
…キムチチゲ描けばキムチチゲ出てくるのかな
言いながらも、その視線は僕らを向いていた。
……軽そうで、でも鋭い
どこか掴みどころがないけれど、
彼のことがとても気になった。
すぐ隣に座っていたフィリックスが、立ち上がって軽く会釈した。
目が合った瞬間、彼が小さく笑ってくれた。
その笑顔に、また少し心がほどけていく。
一瞬だけ、息を飲んで──立ち上がる。
頭を下げた瞬間、ほんの少しの間を置いて、拍手が起こった。
温かく、やわらかい、それぞれの手から生まれる音。
拍手が落ち着いた頃──部屋の隅にいた小柄な少年が、ぴょこっと手を挙げた。
まだぎこちないけど、どこか人懐っこさのあるその動きに、みんなの視線が自然と集まる。



















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!