聞いてないんだけど…そんな話
新入生で寮長をやるなんて
僕よりもだいぶ心労がすごそうだなぁ
きっと優秀な人なんだろう
僕、ほんとにそんな中に入っていけるかな…
午後、リクスと合流したあと
早速生徒会室に向かった。
生徒会には一棟の建物が与えられていて、
そこの中に生徒会室があるらしい。
にしても、どうしてこんなにスペースがいるんだろう
調理室とか実験室まであるらしいし。
生徒会棟の廊下は、普通の教室棟とはまるで違う雰囲気だった。
重厚な木の扉と、魔法を組み込んだ照明が静かに灯る中、足音だけが響く。
隣を歩くフィリックスが、いつもの柔らかな声で尋ねてくる。
僕はほんの少しだけ頷いた。
リクスは優しく笑った。
その言葉にほんの少し肩の力が抜けた気がした。
──そして、生徒会室の扉が開いた。
部屋の中には、すでに何人かが集まっていた。
一番奥に立つのは
学園最強と名高い、生徒会の頂点。
4年生のバンチャンさん
その隣から冷静沈着、氷の刃を操る魔術士
4年生のリノさん
力と爆発力の化身、“轟炎”の異名を持つ男
3年生のチャンビンさん
風と水の舞踏士、魔法学園の美しき嵐
同い年、ヒョンジンさん
電撃頭脳、“ひらめき”と“速度”の申し子
こちらも同い年、ハンさん
ちなみにフィリックスは
光を宿す癒し手
“奇跡の微笑み”……という異名があるらしい。
そして僕たちが入ってきた扉の近くに
見慣れない顔がひとつ。
ジョンインの声は高いけれど静かで芯がある。
それは、最初のかわいらしい印象とは違って
妙に印象に残った。
バンチャンの優しい声が響き、生徒会の空気が一気に
暖かいものへと変わる。
その中で、僕は──ほんの少しだけ、ジョンインの方を見た。
あの目は、きっと自分と同じ。
まだこの場所に慣れていない目。
だけど、それでもここでやっていこうと決めた人間の目だ。
そんな気がして、少しだけ、口元が和らいだ。















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。