『教えて』
きっとルナは、アルがどんな選択をしたとしてももう、否定はしない。
私が死にたいって言っても、なにも言い返してこないと思う。
自分の思うことを、そのまま言えばいい。
わかってる。
『生きていたいよ。』
体が叫んでいる。
『生きてたくないよ。』
生きることも、前を見ることも、頑張ることも
諦めたんだよ
でも
『生きていたいよ。』
なんでかわからないけれど
『生きていたいよ。』
そう、思ってしまうんだ。
本能なんて、そんなんじゃない。
死ぬ勇気がない、そんなんじゃない。
アルの目から涙が溢れる。
泣いたのなんて、いつぶりだろう。
全てを諦めてからなにもがどうでもいいって思ってた。
なのに、こんなにも感情が溢れるなんて。
そんなアルを見てルナは微笑む。
ルナはアルに近づいた。
そして、そっとアルに触れ、優しく抱きつく。
アルは温かかった。
ちゃんと、生きていた。
ルナに抱きつかれながらアルは声を出す。
嗚咽混じりで震えているアルの声。
けれど、ルナにははっきりと届いていた。
アルの言葉に思わず、ルナの目からも涙が出てきた。
やっと、伝わってくれたんだね
やっと、わかってくれたんだね
ルナはただ、嬉しかった。














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。