スンミニに突き放されて早一年。
俺は、まだあいつへの想いを捨てられずにいた。
いまだに浜辺へ向かい、星空を眺める。
月を見上げて笑う君は、本当に美しかった。
なぁスンミナ、知ってる?
俺お前と仲良かった頃にもらったネックレスも、Tシャツもまだ大切に取ってあるんだよ。
毎晩思い出すんだよ。
毎晩ここまで関係が崩れたことを後悔してるんだよ。
また今日も、と浜辺へ行くと、いつもはいないのに背中が見えた。
遠くからでもわかる、スンミニの背中。
なんかものすごく小さくて、抱きしめたくなった。
思わず声が出ていたらしく、サッと振り返ってきたスンミニ。
その顔にははっきりと拒絶の色が見られて。
案の定、少しでも歩み寄ろうとするもんなら帰っていってしまった。
引き止めても、無視をして走って帰る君。
スンミナ、お前は何を考えているの?
その日から、スンミニは明らかに元気がなくなった。
俺のせいだなんて痛いほどわかった。
あまりにも元気がなくて心配で、部屋に入ると逃げられた。
スンミニの涙を見ることが増えた。
ハニに言われたから、たくさん話しかけてみた。
その度に顔を歪め、また涙を一粒こぼすから。
強引に浜辺へ連れていった。
ひたすら拒絶されて、ついに涙までこぼし始めたスンミニ。
安心させたくて、少しでもその悩みを知りたくて、抱きしめる。
すぐに振り解かれ、逃げられそうになった。
でも今日の俺は違うから。
手を引っ張り、もう一回腕の中に収める。
細かく震える君に、どうやったら近寄れるのだろう。
方法なんてわからなくて、ただ想いを伝える。
返ってきた答えは、"嫌い"の一言。
そっか、そうだよね。
嫌いな人から迫られても、怖いよね。
俺は諦めて、帰ることにした。
道中、止まらない涙。
三日月は、まるで俺を笑っているかのよう。
僕の道を照らしてくれることもなく、ただそこに存在しているだけ。
偶然、チャニヒョンに遭遇した。
チャニヒョンは何も聞かずに、その大きい背中で抱きしめてくれた。
久しぶりに手を引かれる。
宿舎へ着くとハニが駆け寄ってきたが、俺とチャニヒョンが手を繋いでいるのを見た瞬間顔を歪めた。
諦めたように笑うと、ハニも諦めたような顔をした。
ヒョンに促され、部屋へ行く。















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。