🌸side
すち兄さんと俺が抱き合っていると.....。
バターン!!
他のみんなが、部屋になだれ込んできた。
び、びっくりした....。
全員の下敷きになっている いるま兄さんが声を上げる。
いるま兄さんの上に倒れていた なつ兄さんとみこと兄さん、こさめが立ち上がる。
いるま兄さんも立ち上がって、服をはたく。
俺は、恥ずかしくなって、急いで すち兄さんから離れて、涙を拭う。
そう言って、四人が頭を下げる。
俺は、さっきの話を聞かれてた 恥ずかしさで、すち兄さんの後ろに隠れると....、
突然、いるま兄さんが 真剣な声で言った。
なつ兄さんも、苦しそうな声で話す。
みこと兄さんも 泣きそうな声で話す。
こさめの瞳から、涙がこぼれる。
すち兄さんが俺のほうに 振り向いて、頭を撫でる。
俺も....、俺も、忘れちゃったんだ....。
みんなに、どうやって、「ありがとう」や「ごめん」を伝えていたか。
どうやって、甘えていたか、泣いていたか。
お互い....わかんかくなってただけだったんだ。
俺も、勝手に一人で から回って、ちゃんとみんなと話そうとしてなかった。
最初から...、諦めてたんだ。
また、俺の瞳から涙が溢れる。
最初から、こうやって、本心で話していたら....、なにか、違ったのかもしれない。
でも、今さら、昔のことを考えても.....仕方ないから。
俺は、涙を拭って、ぼやける視界で みんなを見る。
ちゃんと、言おう。
深呼吸してから、俺は口を開いた。
昔のように、俺は、微笑んだ。
あぁ....言えた。言えたよ...。
俺の瞳から、とめどなく これまでの想いを全部 吐き出すように、涙が溢れ続ける。
みんなのほうを見ると、全員が泣いていた。
ゆっくりと、みんなが集まってきて、昔のように抱きしめ合う。
『 らん 』
久しぶりに、みんなから 名前を呼んでもらえた気がした
温かくて優しい声で.....。
『 大好きだ 』












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。