第3話

#.3
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2025/06/20 13:09 更新








なつ
で、あいつが何?
らん
いや、本当になんもないって




俺はまた笑って「何もない」と繰り返す、

そんな俺を見てなつは飽きれたように溜息を吐いた。




なつ
あのさ、お前にとって
俺はそんな頼りないわけ?
なつ
どうせらんのことだから迷惑
かけたくないとか兄とか気にしてんだろ?
なつ
正直言って濁される方が迷惑だしうぜぇ
なつ
3年前のこと忘れたわけじゃねぇだろ
なつ
俺はもう二度とらんに
ああなってほしくねぇんだよ、
なつ
で、あいつに何されたわけ?
言わねぇならマジで俺が殴りに行くけど





こちらに話す空きを少しも

与えないかのように続けてなつが話す。



俺はそんななつの姿に瞬きも忘れ

真剣ななつの瞳に吸い込まれる様に

ただ目を合わせることしかできなかった。



自分でも分かっている、

ただ認めたくないだけ。

それでもあの時のあなたの下の名前の顔は

ずっと頭の中で俺を苦しめてくる。




今すぐ目を逸らしてしまいたい

そんな俺の願いとは裏腹に

なつの瞳は俺を捉えて離してくれない。



あぁ、お前は成長したんだな

俺は何も変れていないいないのに。







らん
敵わないなぁ、俺の弟には(笑




自然と乾いたような笑みが浮かぶ。


あの時から何も変わらない自分に嫌気が刺す、

なんでこんなに俺の事を気に

掛けてくれてることに気づかないのか。


兄のくせに情けない。



そうやって色んなことが頭によぎる

気づけば自分の不甲斐なさと

さっきの出来事に涙が頬に伝っていくのを感じた。




らん
振られた
らん
なんか、俺のこと嫌いだったんだって…っ





拭っても拭っても溢れる涙のせいで

言葉が途切れ途切れになる。


それでもなつはあやす様に

俺の背中を優しく撫でながら

俺の話を聴いてくれていた。








なつ
…やっぱ1回しばいてくる
らん
しゃれにならないからやめてくれ




全部話し終わったときにはもう涙は止まっていて

逆に怒るなつを俺が宥めるようになっていた。



なつ
くそが、やっぱあいつもかよ
なつ
彼氏いて他のやつ好きに
なるとかなに?ごみすぎんだろ
らん
いや、それは嘘だったっぽいし
なつ
じゃあそこで嘘つく意味ってなに?
らん
それは、分かんないけど…





正直、あの時あなたの下の名前から否定されたわけじゃないから

本当に別の人が好きになった可能性もある。



でも、それなら後から俺のことが嫌いって言うのも

おかしいしなんなら最初に嘘ついたのすら謎だ。




らん
なつ、放課後あなたの下の名前に
会ったっていってたよね
らん
その時なんか変なとことかなかった?



なつ
別に、会ったというか
下駄箱であいつ見ただけだし、
なつ
……いや、
らん
え、なになんかあったの?
なつ
別に何かあったわけじゃない
なつ
ただ、あいつ俺と目が
あったときすぐ逸したんだよ
なつ
いつもならうぜぇほど絡んでくんのに




あなたの下の名前はたまに

「やっぱ、私多分なつくんに嫌われてるよねー、_」

と俺に相談しながらも

少しでも仲良くなろうと努力していた。



俺のいないところでなつに

よく話しかけているのも知ってる。



らん
なんかおかしくない?
なつ
さぁ、どうせらんと別れるから
俺と絡む意味がなくなっただけだろ



そう言われると否定できないのが痛い。


でも、やっぱりどこかで違和感がある。

これはただ俺が失恋したと認めたくないだけだろうか。






俺達の沈黙を遮るように

スマホの通知音が小さく鳴った。


らん
…いるま?












いやもう本当にタイトルから天才的すぎる!!
普段明るい人ほど良くも悪くも裏があるといいますか、
その普段見せない部分を見抜いちゃうのがすごい!
そして見てる側からしたらその裏側を私だけに見せてくれるってのできゅん死します⬅️






これ私大好きなのーっ ̫ -˘♡
普通三角関係といえば関係こじれたりギスギスしたりするものじゃない?そうじゃなくて甘々にもってくのがうますぎる!!!
ただの甘々じゃなくちゃんと三角関係ではあるのがとても見どころです!!!!

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