一歌ちゃん、みのりちゃん、草薙さん、えむちゃんの4人グループが、昨日魔法少女として戦ったらしい。
草薙さんによると、規則を見る限り戦わなかったら死んでしまうのだとか。
ボクはいつも仲良くしていた咲希ちゃんに話しかけた。
咲希ちゃんはいつも通りの笑顔で応じる。
人が死ぬゲームに参加しているにも関わらず、咲希ちゃんとボクだけが違う世界にいるように談笑する。
底抜けに明るい咲希ちゃんは、同じグループにいた杏の死から立ち直るのも早かった。
談笑していると、朝比奈まふゆが話に割って入ってきた。
まふゆはクラスの学級委員で優等生。
文武両道な美人さんだった。
まふゆはそう言って眉尻を下げた。
きっと、親友を失ったこはねちゃんを気にかけたのだろう。
でも、何でボクたちに?
そう言いたい気持ちを呑み込み、ボクは笑った。
咲希も快く受け入れた。
了承したボクたちに対して、まふゆは頭を下げた。
まふゆに微笑み返すように、ボクは笑顔を作る。
…本当は、仲良い人で固めたかったんだけどな。
こはねちゃんを入れる義理なんてないのに。
相変わらずのハイテンションで、咲希ちゃんはボクとこはねちゃんを誘う。
ボクはこはねちゃんを促してから、咲希ちゃんの手を取った。
開口一番、こはねちゃんがそう頭を下げた。
気にすることないのに。実際ボクも知らないし。
こはねちゃんは不自然に微笑みながら頷く。
その不自然さに気がついたのは、どうやらボクだけのようだった。
魔女の結界に侵入。
こはねちゃんはずっと咲希ちゃんの腕を掴んでいた。
ソウルジェムを掲げて変身して、ボクは咲希ちゃんたちを促す。
先にソウルジェムを取り出したのは、こはねちゃんだった。
その声は暗く、澱んでいた。
無理もないだろう。
多分彼女には、杏の時のトラウマがあるだろうし。
咲希ちゃんは光を纏った杖を振りながら、笑った。
気楽に構える咲希ちゃんを、こはねちゃんが制止する。
こはねちゃんの声は、震えていた。
呑気な咲希ちゃんに怒っているようにも、自分にそう言い聞かせているようにも見えた。
魔女に攻撃を仕掛ける。
前みたいな一撃必殺!みたいなやつじゃないと良いんだけどな…
ボクは飛び上がった咲希ちゃんを呼びかけた。
咲希ちゃんはウィンクして、魔女に向かっていく。
今のところ死ぬ心配は無さそうだ。
咲希ちゃんがこはねちゃんを呼ぶと、こはねちゃんは足を速めた。
こはねちゃんはマイクを構えた。
音による衝撃波で攻撃するタイプの、あれだ。
こはねちゃんの声は、掠れていて聞こえなかった。
もちろん、衝撃波も出なかった。
泣きじゃくった彼女の声だけが、マイクを通して伝わっていた。














![# 攻略対象より悪役に惚れました . [ 冬司ver ]](https://novel-img-gcs.prepics-cdn.com/prcmnovel-tokyo-prod-converted-images/p/463Ienje96SMnaxqeg7tvIaFh9p1/cover/01K566339R5TNCGP01WCWNSK9G_resized_240x340.jpg)




編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。