私がそういうと
部屋が少し、静かになった。
ルビーさんが首を傾げる。
窓の方を見る。
カーテンの向こう。
アクアくんは少し考える素振りを見せた。
そして……
二人で慌てて止めるけれども
それは無駄に終わった。
アクアくんは
止まる余地なく玄関へと向かった。
ドアが閉まる音。
私はソファーの上で少しだけ落ち着かなくなる。
ルビーさんが
優しく声をかけてくれた。
さっき感じた視線。
あれは気のせいじゃない。
その時。
確実に外から微かな音がしたから。
玄関の扉が開く音。
しばらくして また閉まった。
そして、アクアくんが戻ってきた。
アクアくんは1呼吸置いて
口を開く。
ルビーさんは固まっている。
同じだ。
私が追いかけられてた時とおんなじ。
一つ一つの単語を
丁寧に並べて言葉にするアクアくん。
……帽子。
さっきまでの自分みたい……
私を追う時
ずっと不気味な笑みを浮かべていた。
思い出すだけで身体が震える。
静かな声でそう言ったアクアくん。
私のことを守ろうとフォローしてくれたのが
伝わってきた。
でも
" どうして追われているのか "
それだけは どうしても思い出せない。
少しだけ笑ってみせる。
だけど
胸の奥の不安は消えなかった。
そしてその頃。
該当の影の下に、
1人の男が立っていた___。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。