アクアくんが腕を組んでそう言う。
私とルビーさんは少しだけ声を上げる。
アクアくんは常に冷静だ。
私の方こそ困っている。
だって……
本当に全部分からないのだから。
その時
ルビーさんが急に立ち上がった。
ルビーさんの
真っ直ぐで、綺麗な星の瞳が私を捉えた。
アクアくんは隣で呆れていた。
ルビーさんは
にっこりと笑う。
正直に言って、私は安心した。
外に出るのは怖いから……。
たしかに誰かに追われていた
気配
足音
でも……顔は見えていない。
必死に思い出そうとした時だった。
ガタンッ
小さな音がした。
私は反射的に窓を見る。
暗い夜。
アクアくんは すぐに立ち上がった。
そして
ルビーさんも窓を見る。
アクアくんはカーテンを少し開けた。
外は本当に静かだった。
人影はない。
ただ、街灯の光だけ。
そうアクアくんは言うけれど………
そんな暗い雰囲気に包まれていた時。
ルビーさんが急に笑い出した。
アクアくんは窓の外をもう一度見てから
カーテンを閉めた。
そして
そう言った。
でも……
その声は さっきとは違く
" 低かった "
__まるで
" 本当はそう思っていない "
みたいに。
私は もう一度 窓を見る。
カーテンの向こう。
真っ暗な外。
刹那__
小さな音がした。
カツカツ
誰かが歩く音。
ルビーちゃんの問いに
私は窓の外を見ながら答える。
部屋の空気が少しだけ変わった。
アクアくんの目が
細くなる。
アクアくんは窓を見ながら口を開く。
アクアくんの瞳に宿す星が、静かに光る。
その言葉を聞いた瞬間
背中が少し冷たくなった。
やっぱりだ……
まだ。
まだ誰かが……
___私を見ている。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。