第13話

じゅーいち
403
2025/01/12 15:51 更新
俺は、走る。
かの暴虐な王に激怒してるわけじゃない。
用事があったから、急ぎの用事があったから走っているだけだ。
Shk
きんときっ、!
kn
しーっ、いま寝てるから。

医務室の扉を壊れる勢いで開けて、結構デカイ声で叫ぶ。
医務担当として居座るきんときが しー と人差し指を口元経あてた。
Shk
あっ、ごめん、
kn
別にいいよ、結構ぐっすり寝てるみたいだし。見に来たんでしょ?

さっき、きんときから連絡があった。
先日保護したあの子供が目を覚ましたと。
武器庫からとびだして、全力ダッシュしてきたのだ。
あの子が無事であるのを見たかったから。
kn
まだ寝てるから大丈夫だと思う。
それに、起きてたとしてもしゃけが居たほうが落ち着くだろうしね。

きんときがカラカラとカーテンを開く。
中ではあの子が くぅくぅと眠っていた。
身体中に巻かれた包帯と左手に刺された点滴が、とても痛々しい。
kn
跡は残るかもだけど、傷自体は治るよ。
栄養面もきりやんがなんとかしてくれる。

俺は仕事するから、見ててくれる? と言ってきんときは俺から離れる。
俺は近くにあった椅子を引っ張ってきて、座った。
右手をそっと握る、あの時よりも暖かい。
Shk
…ちゃんと生きてる、

あの時はきんときが水をぶっかけたのもあって、死んでしまうのではないかと思うぐらい冷たかった。
まだ、救い切れてない。あの地獄から助けただけで、この子自信は取り憑かれたままになる。
助けないといけない。俺がそうしてもらったように。

今ギルド内全員が忙しく働いている。
なかむはこの前の仕事の報告。
きりやんは一緒に戦ってくれた他のギルドへの挨拶。
きんときはこの子の治療。
スマイルは通信室で引きこもってるからなんかの仕事。
俺はギルド内の警備。
それはいつもの事で、これに任務が入ったり依頼がはいったりする。全員が忙しいのだ。
そんな中で俺ができることは何だろうか。
彼らは俺の時も無理矢理時間を作って色々してくれた。
じゃあ、俺がすべきことは、この子を愛することだろう。
本当の愛を知らないこの子に、愛を教えること。
暖かいご飯と暖かいベッド、子供らしく遊ぶこと、わがままを言うこと、褒められる嬉しさ、この子の知らないことを俺らが教える。
Shk
…元気になったら遊ぼうな。

俺は気持ちよさそうに眠る彼の頭を優しく撫でた。

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