カタカタとキーボードをたたく。
あの日、トラップフックから子供を保護した日。
ギルドに帰ってきて、子供を医務室に寝かせたあと、なかむから俺に仕事を頼まれた。
なんともなかむらしい仕事だ。
なかむ曰く、ほしいのはあの子供の個人情報なのだと。
名前も何もわからない状況だからだろう。
まぁ、冒険者ギルドにも情報を送らないといけないし、結局はいつか俺がやつことになる仕事だ。
ちなみにだが、例の子供は医務室で丸1日眠っている。
それはきんときに任せておけば大丈夫だろう。
エンターキーをカタッとたたく。目的のものがヒットした。
おそらくこれはトラップフックが奴隷としてあの子供を購入した時の資料だろう。
パソコンの画面を見つめたまま必要な情報を手書きでメモへ書き写す。最初は慣れないことだったが、書類をこなしながら監視を続けることにより誰が読んでも読めるぐらいの字は見ずに書けるようになった。
ブツブツと呟きながらメモをとる。
冒険者ギルドにはこの資料ごと送ることにしよう。
さすがにメモ書きをわたすわけにはいかない。
これはあくまでなかむ用。
必要なことを書き終わり、インカムを繋げる。
ぶち、とインカムを切る。
こった肩を回して、スマホを手に取った。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。