第12話

じゅー
398
2025/01/10 11:52 更新
カタカタとキーボードをたたく。
あの日、トラップフックから子供を保護した日。
ギルドに帰ってきて、子供を医務室に寝かせたあと、なかむから俺に仕事を頼まれた。
nk
スマイル、今大丈夫?
sm
あぁ。どうした?
nk
いや、ちょっと頼みたいことがあって。
仕事詰まってるならきりやんに頼むんだけど…
sm
俺に頼むってことは情報系の仕事なんだろ。
それだったらきりやんより俺の方がいい。
仕事は別に溜まってないし、大丈夫だ。
nk
ありがとう!
それで、仕事なんだけど…
sm
…子供のことを調べてほしい、ねぇ。

なんともなかむらしい仕事だ。
なかむ曰く、ほしいのはあの子供の個人情報なのだと。
名前も何もわからない状況だからだろう。
まぁ、冒険者ギルドにも情報を送らないといけないし、結局はいつか俺がやつことになる仕事だ。
ちなみにだが、例の子供は医務室で丸1日眠っている。
それはきんときに任せておけば大丈夫だろう。
sm
…きた。

エンターキーをカタッとたたく。目的のものがヒットした。
おそらくこれはトラップフックが奴隷としてあの子供を購入した時の資料だろう。
パソコンの画面を見つめたまま必要な情報を手書きでメモへ書き写す。最初は慣れないことだったが、書類をこなしながら監視を続けることにより誰が読んでも読めるぐらいの字は見ずに書けるようになった。
sm
名前…Broooock 、年齢は誕生日から逆算して12。あとは…なんだ?適当に書いとくか。

ブツブツと呟きながらメモをとる。
冒険者ギルドにはこの資料ごと送ることにしよう。
さすがにメモ書きをわたすわけにはいかない。
これはあくまでなかむ用。

必要なことを書き終わり、インカムを繋げる。
sm
おい、なかむ。
nk
『なーにー?』
sm
頼まれたやつ終わった。
nk
『あー、あの子のやつか。早いね、さすが。ありがとう。ちょっと今忙しいからメールで送っといてくれる?』
sm
わかった。

ぶち、とインカムを切る。
こった肩を回して、スマホを手に取った。

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