第13話

verse2告白❤️
2,866
2023/07/07 00:02
阿部亮平
阿部亮平
舘様、これは??
宮舘涼太
宮舘涼太
ん?どれ?
あーそれは危ないからいいよ。
俺がやるからそこに置いといて。
俺の手元を覗き込んで、カボチャを取り上げる。

近、、、っ
めちゃくちゃかっこいい声が耳元で、、!

てか手、かっこよ、、

って1人でドギマギしてるけど、
舘様は平然と隣で別の材料を用意してる。

ほんと、リアル王子様だよなぁこの人、、
阿部亮平
阿部亮平
え、なんで危ないの?
俺、力そんな弱くないよ?
宮舘涼太
宮舘涼太
だって亮平、切り方分かんないでしょ?
ちょ、、

またすぐそうやって不意打ちで名前呼びして、、!

ラジオとかでもよくこうやって、
思わずドキッとしちゃう俺の反応を見て遊ぶんだから、、

てかその声で不意打ちで呼ばれてドキッとしない人なんていないから、、!
阿部亮平
阿部亮平
もう、、!
それドキッとするからやめてって!
てか2人の時にしたって、誰も聴いてないから意味ないじゃん。笑
宮舘涼太
宮舘涼太
亮平が聞いてるじゃん。
もうまたそうやってからかう、、!
俺は、「もう!いいから!」って頬を膨らませて作業に戻る。


そう、今は収録じゃなくて完全プライベート。

しかも舘様の家で2人っきり。

なんでこうなったかというと、、


--3時間前--
阿部亮平
阿部亮平
あー、、分かんない、、!
収録の待ち時間。
タブレットに向かってずっとブツブツ頭を抱える俺に、
宮舘涼太
宮舘涼太
阿部。
見兼ねた舘様が、トントンと肩をたたいて声をかけてきた。
阿部亮平
阿部亮平
あ、ごめんうるさい??
宮舘涼太
宮舘涼太
ううん。でもどうしたの?
勉強なら俺が教えてあげようか?
阿部亮平
阿部亮平
もう、何言ってんの(笑)
あのね、、
こんど収録でおふくろの味を披露するっていうのがあって。だからよく作ってくれてた煮物を母親に習って作ろうと思ったのに、体調壊したみたいで、、このままじゃ収録間に合わないんだよね、、
ボケにつっこむのもそこそこに、
テンパって弾丸みたいに説明する俺を見て、
舘様がふっと笑う。
宮舘涼太
宮舘涼太
おい、俺も勉強できるぞ。
でもなるほどね。
それで、レシピはあるの?
阿部亮平
阿部亮平
あ、うん、これなんだけど、、もう母親が書いた分量がとにかくアバウトでさ!
ねえ、胡椒少々ってどのくらい?!
醤油ひと回しって、何cc?!
宮舘涼太
宮舘涼太
ちょっと落ち着いて(笑)
だから、少々っていうのはこう、、
身振り手振りで説明してくれる舘様を見ても、???ってなってしまう。

母親に分量を正確に教えてよって言っても、そんなの測らないって言われるんだもん、、

もうどうしよう、、
頭を抱える俺を見て、ものすごくキッパリと舘様が頷く。
宮舘涼太
宮舘涼太
うん。
よし!無理だな。
阿部亮平
阿部亮平
ええ、、
そんな潔く見捨てないでよぉ、、
宮舘涼太
宮舘涼太
いや、そうじゃなくて(笑)
阿部に言葉で説明するのは無理そうだから、今日収録終わったらうちにおいで。
多分それなら作れると思うから、実際に作って教えてあげるよ。
阿部亮平
阿部亮平
ほんとに、、!?ありがとう舘様、、!
---で、
今に至るってわけ。

でもよく考えたら、舘様の家に2人きりで、、

前にも来た事あるんだけど、
最近の舘様はやたら「阿部が好き」とか、「阿部って決めてる」とか言ってきたり

ちょっと恋人っぽい事してきたりして

こんなカッコよくて何でもできる人にそんな事されたら、
正直、ドキドキしてしまう。

カボチャを切る手も横顔も、かっこよ、、
宮舘涼太
宮舘涼太
おい。聞いてる?
阿部亮平
阿部亮平
え、あ、ごめん!見惚れちゃってた!
うわ、しまった、、!
咄嗟に本当の事言っちゃった、、!
宮舘涼太
宮舘涼太
いや、ちゃんと聞いてもらっていい?
あなたの為に教えてるんですけど(笑)
俺のおでこを小突いて笑いながら、
でね?と説明を続ける舘様。
思わず慌てたけど、ギャグにとってくれたみたい。

よかったぁ、、

でも、よくそんな手際よくできるなぁ。
一生懸命覚えようとしてるけど、俺できるかなぁ、、
宮舘涼太
宮舘涼太
こういうのはもう切れてるやつを用意してもらって、でこれはすぐできるから、切ってみて。はい。
阿部亮平
阿部亮平
あ、はい!
材料を渡されて、ここを切るといいよ、とそばで教えてもらいながら包丁を使う。

あれ、見てたら簡単にできそうだったのに、
やってみるとなんか上手く切れないな、、
宮舘涼太
宮舘涼太
そうやっちゃうとずれるから、ここ待ってみて。
うん、そうそう。
包丁を握る手に、舘様の手が重なる。

、、!

ドキッとしすぎて、一瞬手を引きそうになると
宮舘涼太
宮舘涼太
おい、危ない!
阿部亮平
阿部亮平
あ、ごめん、、!
宮舘涼太
宮舘涼太
ちゃんと握ってないと怪我するから。
どうしたの?
そう言って手を重ねなおす。

いやもう分かったから重ねなくていいよぉ、、

てか、その左手、、
俺の腰に回す必要ある!?

え、料理教えるってそういうもん?
俺が意識しすぎなのか??

これ、わざとじゃないよね!?
もしかしたら、
ドキドキしてる俺をからかってんのかな、、

色んな思いでぐるぐるしながら、
話入ってこないよぉぉぉ!と思ってると

俺のスマホが鳴った。

救いだ、、!
阿部亮平
阿部亮平
あ、ちょっと待って、ごめん。
舘様の腕をすり抜けて、慌ててスマホを手に取る。

あれ、ひかるからだ。
なんか仕事の用事かな。

画面をスライドして耳に当てると、いつもの声。
岩本照
岩本照
あ、阿部?いま大丈夫?
ひかるの問いに、
うん、今舘様の家でね、と説明しようとすると、
スマホが手からすり抜けた。
宮舘涼太
宮舘涼太
もしもし、照?どうしたの?
阿部亮平
阿部亮平
いや、なんで舘様が、、
俺のスマホに応答する舘様に反論しようとすると、
唇に人差し指をあてて、しー、って仕草。

思わず黙ると、
番組の為に料理を教えてて、俺は今手が離せないって説明してる。

いや、ここにいるし。
全然話せるんだけど、、と思いながら黙ってると、話が終わったみたいだ。
宮舘涼太
宮舘涼太
明日、振り付けしたいから30分早く来てって。
阿部亮平
阿部亮平
あ、うん分かった。ていうかなんで、、
と反論しようとすると、またスマホが鳴った。

画面を見ると、こんどはふっか??
何で今日こんなにかかってくるんだろうー

てかメンバーってこういうタイミング被るよね(笑)
と思いながら出ようとすると、
またその手を取られた。
阿部亮平
阿部亮平
いや、だからそういう事されるとドキッと、、!
いつもみたいに文句を言おうと顔を上げると、
手を握ったまままっすぐに見つめてる。

え、、?

こんな風に見つめられたら、もう、ドキッとでは済まない。
目が逸らさないまま思考が停止して固まってると、
宮舘涼太
宮舘涼太
今は、俺の時間じゃないの?
「舘様の時間」
俺がたまに、メンバーに言うやつ。

メンバー1人1人と向き合う時間を大事にしてるから、今はあなたと向き合ってますよ、って意味で。

でも、これは、、
阿部亮平
阿部亮平
そ、、うだけど、舘様、、?
電話切れちゃうよ、、
宮舘涼太
宮舘涼太
出なくていいじゃん。
今一緒にいる、俺の事だけ考えてろよ。
阿部亮平
阿部亮平
え、、?
なにその独占欲みたいなの、
これは、どっち、、??

ふっかからの着信は切れちゃって
バクバクした鼓動が聞こえそうなくらいの静寂に包まれた。

なにこの時間、、
どうすれば、、
阿部亮平
阿部亮平
舘様のそういうの、ボケなのか本気なのか、、俺分かんないよ、、
見つめられる時間が辛くなって、思わず目を逸らす。
拗ねるみたいな言い方になっちゃったけど、
舘様はドキドキしてる俺を見て楽しんでるの、、?

それとも、、
俺の事、落とそうとしてる、、?

もしも、
もしもそうなら。
俺はどうしたいんだろう。

でも舘様の気持ちが分からないのも辛くて。

もうどうしたら、、
って泣きそうになってると、舘様の手が頬に伸びる。
宮舘涼太
宮舘涼太
こっち見て、亮平。
いま絶対変な顔してるし、見られたくないんだけど、、
てかまた名前呼びするし、、

そう思いながら恐る恐る顔を上げると

ゆっくり舘様の顔が近付いてきて、、

え、、?
なにこれ、、
直前で避けて、なんかボケられるやつ??

まさか、
まさかほんとにキスじゃ、、

と思考がまたぐるぐるしてるうちに、唇が重なった。

え、これは、、どういう事、、??
俺いま、、
阿部亮平
阿部亮平
だ、、てさま、、?
ゆっくり唇を離して、答えを求めるみたいに見つめる。
からかってるわけじゃ、ないよね、、?
宮舘涼太
宮舘涼太
俺がふざけてこんな事すると思う?
阿部亮平
阿部亮平
思、、わない。
舘様は紳士でまっすぐで
人が嫌がる事は絶対しない。

ましてや、自分の気持ちを偽るなんて絶対しない。
漢気がある人。

ということは、
宮舘涼太
宮舘涼太
本気に決まってんだろ。
その言葉に、胸がドキンと高鳴る。

やばい、嬉しい、、

嬉しい、って思わず思ってしまった。
きっと、いつも疑いながら、
舘様の言葉、態度が本気だったらいいなって思ってた。

だけど

あるわけないって決めつけて、
その先をちゃんと考えたことはなかった。

俺のこの感情が、ただの独占欲なのか
男としての憧れなのか

それとも、恋愛なのか、、
迷ってる俺を見て
宮舘涼太
宮舘涼太
嫌だった?さっきのキス。
阿部亮平
阿部亮平
ううん、嫌じゃ、、
無い、と思わず答えてしまってハッとしてると
舘様の腕が伸びてきて、抱き寄せられる。

そしてもう一度、唇が重なる。

舘様の唇、熱い、、
阿部亮平
阿部亮平
ん、、っ、、
宮舘涼太
宮舘涼太
その顔。俺以外に見せたくない。
ゆっくりと唇を離して、そう耳元で囁かれると
ゾクゾクと身体に電気が走る。

そしてまた吸いつくように唇が重なると
ゆっくりと熱い舌が入ってくる
阿部亮平
阿部亮平
あ、、っ、
厚みのある唇と熱い舌で絡め取られて
何度も繰り返される気持ちいい感触と
わざと鳴らされるリップ音で
頭の芯がクラクラする。

こんなのずるい、、

でも、もっと欲しい、、

気づいたら、自分の腕を舘様の腰に回してた。

王子様みたいなこの人は、どんなキスするんだろう、って思ってた。

想像よりずっと熱くて
その腕から、大事にしたいって想いが伝わってくる。

唇を離されたくない、もっと重なりたい、、
宮舘涼太
宮舘涼太
愛してる、、
阿部亮平
阿部亮平
ん、、俺、、
気持ち良さとカッコ良すぎる声で、思わず「俺も」って答えそうになって
ハッと我に返る。

もっとしてたい気持ちを抑えて、
舘様の胸に手を当ててゆっくりと唇を離す。

メンバーだよ。
ずっと一緒に歩いてきた、大事な人だ。
流されるなんて、だめだ。

付き合うなら相当の覚悟が必要だよ。

そう考えて俯くと、何もかも見透かしたような顔で覗き込む。
宮舘涼太
宮舘涼太
こら。また頭で考えてるだろ。
阿部亮平
阿部亮平
う、、、だって、、
宮舘涼太
宮舘涼太
正直俺だって、今日はここまでするつもりはなかったけど、、
俺がすることにいちいち可愛い顔して照れてくれるんだもん。そりゃ理性効かなくもなるよね。
阿部亮平
阿部亮平
いや、だってそれは舘様が、、!
てかやっぱり、分かっててからかってたじゃんもう、、
自分の言動を思い出したら恥ずかしすぎて、思わず手で顔を覆う。

そんな俺の手をとって、ゆっくり開かせると
宮舘涼太
宮舘涼太
でも、ずっと覚悟はできてたよ。
俺のものにしたいし、誰にも触らせたくない。
"覚悟はできてる"
強い眼差しで、それは痛いほど伝わってる。

それなのにまだぐちぐち言ってる俺の手を握って、舘様は真っ直ぐに目を見て言う。
宮舘涼太
宮舘涼太
亮平?俺は亮平が好きだよ。本気で。
俺と、付き合ってほしい。
この瞳で、このまっすぐな漢気で、
想われる人が羨ましいって思ってた。

それが今、俺に向けられてる。

嬉しい。俺も大好き。
そう言ってしまいたい。

でも、、、
阿部亮平
阿部亮平
舘様、俺は、、

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