第14話

verse2告白🧡
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2023/11/30 14:56
ピコン
待ち合わせの時間が迫って来て、慌てて準備をしてると
スマホのメッセージ音が鳴った。
向井康二
向井康二
おはよ!ちょっと早いけど、着いてもーたわ^ ^
車で色々して待ってるし、ゆっくり降りてきてなー!
車で迎えに来てくれた、こーじからのメッセージだ。

こーじの事だから早めに来るだろうなって思ったけど、予想より早かった、、!

オレは急いで準備を終わらせて、ジャケットを手に取ってバタバタと家を出た。

マンションの下に降りると、見覚えのある車。

その窓からは、前向いたり、後ろの座席を確認したり、1人でバタバタしながら嬉しそうに笑ってるこーじの姿が見えた。

あいつ、何してんの1人で、、笑
阿部亮平
阿部亮平
こーじ、おはよ。
車の窓をトントン、と叩いて挨拶してから、助手席に回ってドアを開けようとすると、運転席から慌てて出て来たこーじが開けてくれた。
向井康二
向井康二
あべちゃん、おはよ。どーぞ。
、、って何笑ってんねん?
阿部亮平
阿部亮平
いや、ごめん。笑
ありがと、こーじ。
なによー?ってちょっとむくれて笑いながら、運転席に戻ってエンジンをかける。

だってなんか、すっごく楽しみにしてくれてたんだなー、って伝わってきちゃって。
思わず笑っちゃうよ。
可愛いなぁ、こーじ。
阿部亮平
阿部亮平
で、今日はどこ連れてってくれるの?
向井康二
向井康二
さあ、どこやと思います?
ヒントは、あべちゃんが最近また行きたいって言ってたところ!
阿部亮平
阿部亮平
えーどこだろう、、ダイビング、、ではないし、、
あ、もしかして水族館!?
向井康二
向井康二
正解!今日はちょっと足伸ばして、遠くの方まで行きたいと思いますー
水族館は、この前取材で行って
ペンギンの赤ちゃんとか見せてもらったり、クラゲもゆっくり見れたりですっごく楽しくて
またプライベートでも行きたいなぁって、雑誌とかでよく言ってたところ。
阿部亮平
阿部亮平
こーじ、そういうのちゃんと読んでくれてんだね!
向井康二
向井康二
当たり前やん。あべちゃんのは全部見てるよ。雑誌もクイズも。
オレの、、って?
言い方にちょっとドキッとしたけど、突っ込む隙もなく続く。
向井康二
向井康二
あべちゃんが特定の場所出してもっかい行きたい!って何回も言うなんて、珍しいなーと思っててん。
そんなに楽しかったん?
阿部亮平
阿部亮平
うん、楽しかった!バックヤードとか色んな話聞けて。やっぱ専門の人に教えてもらえると、ぐっと興味が湧くよね。
向井康二
向井康二
あー分かる!そういう取材、オレはあんまないからさ、いいなぁって思うわー。あべちゃんの場合、そういうのクイズに活きるしなぁ。
阿部亮平
阿部亮平
そうなんだよ!クイズとかでもよく魚のこととか出るからさ、魚の話もっと聞きたくて、一瞬連絡先教えてもらおうかなとか思っちゃった。笑
向井康二
向井康二
え、それはあかんよ
阿部亮平
阿部亮平
え、なんで?笑
向井康二
向井康二
いやだってそれお姉さんやろ?あかんよ。
阿部亮平
阿部亮平
あ、アイドル的にね?まあそうだよね。笑
向井康二
向井康二
いやそれもそうやけど、いやでもお兄さんでもあかんか、、とにかくあかんよそんな連絡先とか!
阿部亮平
阿部亮平
なんでだよ。笑
てか聞くわけないだろ。笑
ほんならええけど、、ってまだブツブツ言ってる。
今日のこーじはなんか、ヤキモチ妬きの彼女みたい。
オレに限らずそういう時あるよなぁ、こーじって。
口を尖らせてる横顔を見て、またふふって笑う。

運転してる姿はかっこいいのに。笑
向井康二
向井康二
あ、せやせや、コーヒー飲む?淹れてきてんそれ。
阿部亮平
阿部亮平
え、これ?飲んでいいの?
向井康二
向井康二
どうぞどうぞ
ドリンクホルダーに置いてあったタンブラーを取って一口飲むと、いい香りが広がる。
阿部亮平
阿部亮平
んー!おいしい!あったかい!ラテ?
向井康二
向井康二
そう。あべちゃんは甘くないラテが好きやろ?
阿部亮平
阿部亮平
うん!それも覚えててくれたんだ。
向井康二
向井康二
当たり前やん。朝からちゃんと豆ひいて淹れてきたから、いい香りやろ?
阿部亮平
阿部亮平
うん!嬉しい。車でお迎えにも来てもらって、誕生日でもないのにえらいVIPだな。笑
向井康二
向井康二
せやろ?特別な日にしてあげるよ。
またクサイ事言ってるよ、ってオレが笑って
なんで笑うん!?本気やのに!ってこーじがすねる。

カメラが回ってない時のこーじは全然ボケたりしなくて、どっちかというと2枚目キャラなんだけど
普段を知ってるから、かっこいいんだけどどうしても笑っちゃう。

水族館に着くまで、ずっとこんな調子で笑ってて
こーじの恋人になる人は、きっと楽しいだろうな、なんて。
ふと、思った。
向井康二
向井康二
よーし到着!行きましょう!
阿部亮平
阿部亮平
え、こーじチケットは?
向井康二
向井康二
もちろん買ってありますよ。ほい、行こ!
阿部亮平
阿部亮平
え、いいの?まじでVIPじゃん。ありがとう!
こーじは「どうしたしまして」って笑って2人分のチケットを渡して、マップを広げた。

イルカのショーがあるらしい、とか
ここでペンギン見れるらしい、とか
オレが見たがりそうなところをめちゃくちゃ調べてくれてて
いつもはオレが説明とか進行とかするのに
しっかりこーじがリードしてくれてる。
向井康二
向井康二
じゃあもうちょっとこっちに立ってみて。そうそう!
水槽の前でも、オレの事写真に撮ってばっかりで
え、なにこれ何かの企画?
ブログに載せる用?
とか色々勘繰っちゃったけど、こーじはずっと「そんなわけないやろ、これは誰にも見せへんやつ!」って言いながら嬉しそうにしてる。

全然意識してなかったけど、こーじのこのノリ
もう、デートみたいじゃん、、?

なんだ、どういうことだ?ってぐるぐるしてきだして、水族館にはしゃぎながらも色んな事考えてきた。

もしかしてドッキリ!?
レギュラーも持ってるしなこいつ、、!
カメラが無いか、キョロキョロしたりして。

無い、よなぁ。
じゃあただ優しいだけ、、?
こんな急に、、?

でも、こんなにたくさんしてもらったしな、、
なんか御礼したいな、、
阿部亮平
阿部亮平
あー、めっちゃ楽しかった!やっぱいいね、水族館!
向井康二
向井康二
ほんま?良かった。あ、もうちょい時間大丈夫?
ここ海沿いやからさ、夕陽撮りに行きたいねんけど
阿部亮平
阿部亮平
え、見られるの?行きたい!
向井康二
向井康二
良かった。ほないこか。乗って乗って。
しばらく車を走らせると、車道の横に海が見えてきた。
阿部亮平
阿部亮平
うわあー!綺麗!こーじ見て!あっやっぱみないで!笑
向井康二
向井康二
おーいオレが見たら事故るで。笑
1番大事な命預かってんのに。
また。1番って言った。
なんでそんな、わざとドキッとさせるような事、、
いつもこーじはみんなにそんな感じだけど、
今日はなんか、、やけにまじっぽいというか、、

とにかく、なんか調子狂うよ。

車窓の向こうの海を眺めながら、1人でドギマギしてると、降りられそうな浜辺が見えて来た。

車を停めて浜辺に降りると、
やっぱりオレの撮影タイムが始まった。

何枚か撮ってもらってから、
阿部亮平
阿部亮平
もおー、オレはいいよ!夕陽!夕陽撮ろう!
向井康二
向井康二
だって、あべちゃんが撮りたくて今日誘ったんやもん。今この瞬間のあべちゃんも、全部撮りたいぐらいやわ。
カメラで今日撮った写真を見返しながら、嬉しそうに「見てこのあべちゃん。めっちゃ嬉しそう。可愛い。」「これも可愛いな!」ってニコニコしてる。

もーいいよ、ってオレも笑いながら、水族館のお土産屋さんで買ったサメのちっさなぬいぐるみを手渡す。
向井康二
向井康二
え、なにこれ!?可愛い!
阿部亮平
阿部亮平
ちょっとしたもので申し訳ないけど、御礼。今日ずっとなんか、おもてなししてもらっちゃったからさ
向井康二
向井康二
わーありがとう!大事にするな。でも別に、おもてなしちゃうよ。笑
ずっとオレがしたかったことやねんで?
阿部亮平
阿部亮平
ずっと、って?
向井康二
向井康二
うん。オレもよう言うてるやろ?もし好きな子ができたら、完璧にエスコートして告白したいって。
阿部亮平
阿部亮平
こ、、
くはく、って、、?
まさかオレに、じゃないよね?
向井康二
向井康二
見て、これも可愛い。ほら。
しゃがんでカメラの画面を覗き込むこーじが、おいで、って手で肩を寄せる。
すぐ一緒に見れるように、デジカメも持ってきたって言いながら、撮った写真を見せてくれるけど、、
阿部亮平
阿部亮平
ねえ、まじでオレばっかじゃん、こんなのさ、、
恥ずかしいよ、ってちょっと文句みたいに言ってこーじのほうを向くと
一緒に覗き込んでたから、顔がめちゃくちゃ近い、、!

しまった、と思ったときには
肩を抱き寄せられて
唇が、、

そっと触れた。
阿部亮平
阿部亮平
ん、、ちょ、、こーじ、、!
慌てて体を離すと
向井康二
向井康二
あ、ごめん、、!思わず、、!順番ちゃうよな、ごめん。やり直し!
阿部亮平
阿部亮平
え、順番、、?
なんの、
てかなんでキス、、

もう色々分かんない。

頭が混乱したまま、うつむいてると
向井康二
向井康二
あべちゃん。オレな?あべちゃんの事が好きやで。
メンバーとしてじゃなくて、恋人になりたいって意味でな?だから今日、完璧にエスコートしたかってん。
名前を呼ばれて、その時点で分かった。

これは、このまま告白される流れだって。

だから、今日ずっと恋人みたいに扱ってくれてたんだって。

こーじの言葉を聞きながら、色んな考えがまたぐるぐるしてた。

え、恋人としてって、いつから、、?
どうして、、

オレはなんて答えれば、、

いきなりすぎて、考えがまとまらなくて、
こーじを見つめたまま固まってると

ふふっと笑って、また顔が近づいた。
阿部亮平
阿部亮平
え、ちょっと、ま、、っ
て、っていう言葉まで聞かずに、また唇が重なった。
阿部亮平
阿部亮平
ん、、っちょ、、!
体を寄せられて、ゆっくり唇が動く。
何度も、唇をなぞるように角度を変えて

そして、体を支える腕に力が入ると
空気を求めてうっすら開いたオレの唇の隙間から、熱い舌が入ってきた。
阿部亮平
阿部亮平
ん、、ふぅ、、こーじ、、
向井康二
向井康二
可愛い、、その顔も撮りたいな、、
阿部亮平
阿部亮平
もう、なに、、
向井康二
向井康二
好きやで、ほんまに。ずーっと。
熱い唇と舌の感触に、溶けそうになってると
そっと唇が離されて
真剣な顔のこーじに、抱きしめられた。

ふと目に入った海には、もう夕陽が沈もうとしてる。

阿部亮平
阿部亮平
こーじ、夕陽、、撮ってないじゃん、、
向井康二
向井康二
ほんまやな。笑
ほなまたこよか。
でも今度は、ちゃんと恋人として来たい。
あべちゃん、返事聞かせて?
こんな真剣な顔、初めて見たな。
大切に大切にしてもらって、想われて
こーじと一緒にいたら、きっと幸せだ。

だけど、、

オレは、ふぅ、と息を吐いて
まっすぐにこーじを見つめた。
阿部亮平
阿部亮平
こーじ、オレは、、

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