キッドを追い続けていると
使われなくなった路面電車が多い場所へ着いた
後ろから制止の声が聞こえたが今だけは無視させて貰う
気配がする場所へ近づいていくにつれ
刀を出す
キッドが切られそうになる所で
ガキンツ
鞘から抜いた刀特有の音が辺りに響いた
その後も切られそうになるが全て捌き切る
さすがに体力の限界に近づいたのか
少しづつではあるが動きが鈍くなっていくのがわかる
地面にあった刀に気づかなかったせいか
体制を崩してしまった
しゃがんだキッドとあなたの横を蹴鞠が通る
咄嗟に狐面の人物は最初は避けたが
2度目は避けられなかったのか肩にあたり体制を崩した
私はそこを見逃すはずもなく
狐面の人物に切り掛るが避けられてしまい
挙句の果てには逃げられてしまった
私を鞘に収めたと同時に刀は消えた
また”お嬢さん”…まぁいいか
聞かれるとは思っていたがこんな直球とは
指を指した方向には
平次に突っかかられている怪盗キッドの姿が
使われなくなった路面電車に乗り込み
座席に腰を下ろした
キッドの表情が曇る
おそらくその人も知ったのだろう
あれはそんな大層なものではないということを
聞こえによっては全く別物となるのだから
あぁあの紙か
そういえば前になんか政府の人が言ってたな
遠く
懐かしい記憶が
蘇ってくる
コナンと平次がキッドを見る
そこにはキッドの胸元に十字の切り口が
ほんと最近の機械ははいてくな物ばかりで疲れそうだよ
その発せられた言葉に
服部平次
怪盗キッド
江戸川コナン
両3名の視線が東星に突き刺さる
もう
隠し通せないか
まぁあれほど暴れちゃったしね
あれは
明治元年(一八六八年)
時は幕末から明治へ
鳥・伏見の戦いで新政府軍に破れた旧幕府軍
江戸に逃れたのちに、東北各地で転戦を続けた
新撰組の副長
土方歳三も旧幕府軍についた一人だった
旧幕府軍と共に蝦夷地に上陸し
箱館にある五稜郭へと入城した
しんしんと雪が降り積もる…その夜
土方は箱館にある海産物の卸問屋を営む
町田正徳の屋敷を訪れる
床の間がある部屋…蝋燭の薄暗い明かりの中で
二人は向かい合って座っている
土方の背後には、松と鹿が描かれた屏風が立てかけられており
髷を切り落としフランス式車服に身を包んだ土方は
愛力の和泉守兼定を脇に置く
その堂々たる様に気圧されたごくりと唾を飲み込んだ
町田正徳は土方に1本の刀を献上しようとしていた
五稜郭築城に合わせて作られたという星稜力は
鍔が五稜郭のように星の形をしていた
土方が力を下げて戻そうとしたとき
…障子の向こうに人の気配を感じた
と同時にいきなり障子が蹴り破られ
刀や銃を持った男たちが入ってきた
その男達は政府軍と呼ばれていた
政府軍兵の一人が刀を振り上げる
しかし
鬼の形相をした土方の凄まじい気迫に気圧され
足が止まる
それがいけなかったの
すり足で一歩前に出た土方は星稜力をすばやく抜き
その一振りで蝋燭の火が消えた
挑発に乗った政府軍兵たちは次々と斬りかかるが
土方は敵の左肩から斜めに力を振り下ろし
続けて別の敵を下段から斬り上げ
間髪入れずに斬り下ろした
すると屏風の後ろの襖がほんの少し開く
襖の裏側には別の政府軍兵が潜んでいた
襖を開ける音に気づいた土方は、刀を逆手に持ち替え
背後の屏風に突き刺した
勿論そこにいた政府軍は血泡を噴いて倒れた
土方が屏風から力を引き抜くと刀身についた血が
屏風で拭われて飛び散った
その形はまるで星のように
くっきりとその形を顕とした
こう見えて私神様なのよ
















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。