第12話

人生の先輩、 ~神山~
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2021/03/10 12:00




神山side






ガチャ、




「ただいまぁ〜」




扉が開く音と同時に聞こえた、


少し鼻かがった声に反応して、


玄関へと足を運ぶ


顔を出すと、目を真っ赤に染めながらも、


笑顔で"卒業証書"を胸に抱えた彼女の姿が










『めっちゃ泣いたんやな、』




ぼそっとそう言うと




「やってさぁ....」




と、何かを言いたげにしながら、


一気に目に涙を溜めた○○







『まぁ、とりあえず中入り、』




そう言って部屋へと促すとゆっくりと入ってきた







『どうやった?』




そう聞くと




「めっちゃ泣いたぁ〜」




と、また涙声になった○○、








『ほれ、目ーパンパンになる前に冷やしとき』




と、取り出したガーゼを濡らして彼女に渡す








「もぉ〜、いややぁ」




思い出話を聞いている途中、



少しのスイッチでまたボロボロと零れる水の粒




『そんな泣かんとき、明日大変やで』




そう言っても止まることを知らない彼女の涙は


頬を伝い ポトン と彼女の手のひらに落ちる








『おいで、』




そう言って手を広げると


腕の中にスッポリと収まった○○






少しやけどさ、人生の先輩として


ちょっとだけ、


ちょっとだけな、話したいことがあんねん


やからちょっとだけ聞いてな、






✂︎- - - - - - - -キリトリ- - - - - - - - - - -


明日に続きます...

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