問題 カナの能力技で自然秩序支配は作中で存在する?
前回のクイズの答え 存在する
パト:side
二日目が、始まった。
世界大会──
チーム戦、バトルロワイヤル。
昨日とは、空気が全く違う。
観客の熱も、参加者の視線も、
すべてが一段階鋭くなっていた。
昨日のことを考えるパトに、
その思考が自然と体の芯に落ちていく。
隣でカナが小さく言う。
声は抑えているが、その思いは十分伝わった。
2人の視線の先で、
ファルドラが軽く肩をすくめた。
余裕を崩さない笑みを浮かべる敵に
2人は警戒を緩めない。
──予選の時……?
どこかでファルドラと出会ったか……?
──そもそも何で予選の時、
皆んなバラバラになったんだっけ。
俺は、一回過去の出来事を頭の中で振り返る。
その時、思い当たる出来事が頭によぎった。



──あの人数をバラバラになんて。
相当な能力特化か、使い方が上手いのか。
パトは集中した目つきで、一歩前に出る。
それは命令でも、忠告でもなかった。
──配慮だ。
少なくとも、パト自身はそう思っている。
カナは即答しなかった。
一拍遅れて、短く頷く。
その瞬間、彼女は"読んでしまっていた"。
でも、それを口に出すことはしなかった。
カナは、パトの背中を寂しげに見る。
それは・・・
──"並ぶ"つもりは、一切ないものだった。
戦闘が始まる。
軽い踏み込みから繰り出されるダッシュ。
それだけでパトは
お互いの距離を詰め、腕を振るう。
ガッ!
確かに当たったはずの一撃が浅い。
すぐに追撃。
今度は確実に届く。
腕に衝撃が走り、
ファルドラの体が僅かに後ろに流れた。
──スピードで畳み掛けるっ!!
パトの攻撃が、
一つ一つファルドラの動きを制限していく。
そんな肉弾戦の中に金髪の少女も参加し、
戦闘の密度をまたいっそう高めていった。
それぞれがオーラを使った物理攻撃を繰り出す。
時に防御、反射などを上手く使いながら・・・
ファルドラが目を細める。
少女の重心が、僅かに前へ寄っているのを感じた。
そのおかげか少女の踏み込みは速い。
だが、ほんの一拍だけ、毎回遅れる。
それでも前へ来る、何回も、何回も。
苦しみを無視して。
"置いていかれたくない"。
その感情が、少女の身体を急かしていたのだ。
そして、攻防が始まって数分経った後、
状況が少し動き出す。
パトが一歩踏み込み、拳を走らせる。
確かな手ごたえが腕に返った。
だが、カナの追撃がワンテンポ遅れる。
その攻撃は対象に
当たることはなく、空を切った。
カナ自身がそう思った瞬間、
パトの背中が、ほんの一瞬だけ遠くなる。
カナは横目にパトを見る。
その様子は、今のカナのミスなど
気にもしてない表情で集中していた。
しかし、その些細な仕草は、カナ本人にとって
様々な事実を思い知ることとなる。
〜回想〜
数分後・・・
数分後・・・
カナはドアノブを捻り、奥に押した。
カナがそう考えていた時、
相手が突如、手を何もない空間に突き出してきた。
ファルドラはそう言い、
小さなオーラ弾を打ち込む。
ホントに小さな、ごく"普通"のオーラ弾を。
パトは過去、自分がしてた戦略を
思い返しながら、反撃の準備を行う。
バチッバチッ。
パトの放った能力は、音を鳴らしながら突き進む。
その力量は目の前のオーラ弾に対して、
過剰過ぎる程のものであった。
しかし・・・
その能力は小さなオーラ弾によって、
じわじわと押し返されていった。
そんな様子を見たカナは、
パトの後ろからさらに追撃する。
大きな衝撃波が地面を抉った。
そう思った瞬間。
光の隙間から見えるファルドラが笑った。
2人の能力の力が、一気に押し返される。
そして・・・
2人の身体は大きく吹き飛ばされた。

霧の向こうから、
動きの揃ってない二つの影が戻ってくる。
ファルドラは口元の血を拭いながら、
それを眺めていた。
パトは右腕を不自然に大きく下げ、
カナは身体の重心が傾いている。
2人の表情はとても暗かった。
この発言は強がりではない、事実だ。
そのことを、ここにいる3人は理解している。
ファルドラは一歩、距離を詰めた。
ファルドラはパトの様子を確認すると、
隣にいるもう1人の状況や表情を凝視する。
その視界に映るのは、
とても静かな少女の表情。
口角も動かず、呼吸も表に出さない。
対面してて違和感が残る顔立ちだった。
ファルドラの視線がそのままカナへと向けられる。
カナの足先が止まる。
言い逃れはできない。
事実だから。
パトが低く言う。
ファルドラは無視しながら、
意地悪な笑みを含み、話を進める。
カナの拳が、強く握られる。
図星。
そして、視線はパトへ。
空気が凍る。
そして、パトの呼吸が、一瞬止まった。
カナの視線が揺れ、
パトの胸は強く締めつけられた。
パトは視線をカナに移す。
しかし、パトの瞳に映る仲間は
周りから見ても分かるような違和感があった。
カナは、
いつも通りの表情で振る舞おうとしてる。
でも、分かる。
──さっきより、距離がある。
そんな思いが頭の中をぐるぐると回る。
カナが叫ぶ。
だが、その声には僅かな揺れが混ざっていた。
ファルドラは選択を突きつける。
この空間は静寂に包まれた。
パトは、何も言えなかった。
アンケート
カナの専属神の特性は【主の??】か
神経
12%
肉体
0%
心
88%
魂
0%
投票数: 17票












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。