第30話

安易にするものじゃない
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2024/04/05 09:00
この世界に来てから気がついたことがある


それは魔力と呪力についてだ


呪力も扱い方次第ではこの世界の魔力と同じような作用をもたらすことだ


もちろん魔法が使えるようになるわけではない


本当に扱い方次第なのだ

この世界では魔力を媒体として動くものが存在する


呪力で魔力の代用になるのだ


つまり私も扱いを覚えれば箒で飛んだり魔法道具を動かせるということだ

それにより私は生徒にならないかと打診されたが断った


そんなことをすれば自ら危険を増やすようなものだからである

しかし学園長としては私のような逸材を逃したくなかったらしく
学園長
ならばあなたの転生後の名前さん仕様でカリキュラムを組みます、放課後や夜間などの生徒の皆さんと出会わなくていい時間帯で特別授業を受けていただけませんか?もちろん辞めたいならば雑務は免除します!


と、食い下がられた上にとにかく授業を受けてほしいと縋られたしリリア達がこの世界についてある程度学んでおいた方がいいと助言してきたので生徒達と同じ授業に遭遇させないことを条件にこの提案を飲み込む次第となった


まあ確かにこの世界については学んでいた方がいいだろうからある意味助かる


私は向こうで間違いなく死んでいるため帰ることは間違いなく不可能

だからこそこの世界で生き延びるための知識は必要



ある意味渡りに船だった


確かにこの学園の雑務をして生涯を終えるのもかなり癪ではあるし



まあ昼間は必然的に暇になるため結局昼間も雑務に励んでいる


雑務も監督生やその一派と出会うことのないように配慮された内容のものばかりになっていて本当にありがたい


そしてその提案を受け入れてからかれこれ数週間経過した


この世界の勉強は割と楽しいため夜でも眠気をほとんど感じることなく話を聞ける


そして昨夜は錬金術でクルーウェル先生からの課題で放課後に薬草の識別テストとして指定された薬草をとってくることとなった


今はそれを探している最中だ
(なまえ:転生後の名前)・ミスト
あなたの転生後の名前・ミスト
あ、多分この辺に‥


私は用意された植物園の地図のメモを確認しながら該当する薬草があると思われるエリアに入った

(なまえ:転生後の名前)・ミスト
あなたの転生後の名前・ミスト
あ、もしかしてこれ?

メモの内容と渡された写真と照らし合わせた結果それだと分かった

葉を数十枚ぷちぷちと取る



ふと目にたくさんのキノコが映った
(なまえ:転生後の名前)・ミスト
あなたの転生後の名前・ミスト
なぜこんなところにキノコが…?珍しいキノコまである。どれも綺麗だし、手入れが行き届いているな。あっ





一つだけ今にも枯れてしまいそうなキノコがあった



確かこのキノコは魔力で大きくなる類いのものだったか




可哀想だからお裾分けしてあげよう

それにこの場合も呪力で代用できるのか気になるし

ぴとっ、とキノコに触れ、魔力を流し込む



すくすくと育ち他のキノコに劣らないほどの大きさにしてあげた



うんうん、呪力上手く調節できてよかった

それにこの場合も呪力で代用できると分かったので一石二鳥だ


よし、他のも探しに行こう


立ち上がると黒い影が私を覆う



…背後に誰か立っているのか


いや、それにしても大きすぎるこの影



???
あなたそのキノコに何をしたんですか


あ、これ振り返ったらダメなやつだ
作者
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