第9話

18
2026/01/24 11:38 更新








千秋のテが、あなたの下の名前の細い肩を掴んだ


驚きに目を見開く彼女を、彼はそのまま、


壊れ物を扱うような、けれど決して逃さないほど確かな力で抱きしめた










あなた
⋯⋯っ、千秋、さん

守沢 千秋
守沢 千秋
⋯⋯いいか、あなたの下の名前。運命を信じるな。
守沢 千秋
守沢 千秋
俺を信じろ







耳元で囁かれる声は、低く、熱い


千秋の体温が、凍りついたあなたの下の名前の心へと流れ込んでいく
















守沢 千秋
守沢 千秋
俺は、何度繰り返したって同じ道を選ぶ。
何度おまえに拒絶されようが、何度おまえが羽根を失おうが
守沢 千秋
守沢 千秋
俺は必ずおまえを見つけ出し、この手を差し出す。
⋯⋯それが『守沢千秋』という男のらしさで、強さなんだ!
















あなたの下の名前の視界が、急激に滲んだ


ずっと、誰にも踏み込ませなかった場所


「自分が不幸でいれば、誰も傷つかない」と信じて閉じ込めていた涙が、


千秋の『赤』に触れて、


熱い雫となって溢れ出す








守沢 千秋
守沢 千秋
⋯⋯よし、いい子だ。
⋯泣け、あなたの下の名前。全部出しきってしまうんだ!





千秋は震えるあなたの下の名前の背中を大きな手で何度も撫で続けた



この道が正解かんて、誰にもわかあない


けれど、腕の中で震えるこの命の鼓動だけが、


今の彼にとっての唯一の真実だった

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