真冬間夫side

最近、思うことがある。


ボスに対して、可笑しいんだ。

ボスと一緒にいると、気持ちがふわふわして、心地良い。


ボスが他の人といると、ズキズキする。

恋。

この感情が恋だと気づいたのは、何日か前のこと。

それまでは、ボスに対して、可愛いな、とは思っていたけれど、好き。…Loveの方の好きは感じていなかった。

任務のときだってそう。

僅かな変化にも気づくようになった。


でも、なんで今さら…？

ライバルが増えて…だから？

…

裏、とは、マフィアで正式に活動していないもののこと。

裏マフィアのほうが強いと言われている。


ちなみにこの裏マフィア、やることはクスリだったり、裏金に手を回してたりするから任務の対象になることが多い。

ﾊﾞｼｭｯﾊﾞｼｭｯ　ｶｷｰﾝｶｷｯ　ﾌﾞﾝﾌﾞﾝｺﾞﾘｭｯ　ｻﾞｸﾞｯｸﾞｻｯｸﾞﾁｮ　ﾊﾞﾝｯﾊﾞﾝｯ　ﾊﾞｺｯｶﾞｼｯｺﾞﾝｯ　

色んなところで殺し合いの音がする。


自分も戦おうと思ってふと、横を見ると、戦っているボスが居る。

普段はかわいいのに。

こうして、戦っているところを見ると、なんだか、凛々しくて。

可愛い、というよりも、美しい、のほうが似合っている。

真剣な目つきだからか、零れ落ちてしまいそうな大きくて、宝石のような目は何時もより、細い。


ボスの目は、綺麗。

ただの青ではない。

薄く、水色掛かった、蒼い目。



薄い水のような、水の妖精の様な、ふわふわしていて、それでも、さらさらな髪とはまた、違う色。


普段は天使のようなその口からは、煽り文句が聞こえる。


其の、小さな小さな体の何処から、そんな言葉がポンポン出てくるのか、不思議でたまらない。


ｷｯ、と敵を睨みつけている、其の目さえも、其の、表情さえも、愛おしいと、思ってしまう。

人間誰しも死ぬ時はある。


でも、俺は、死ぬのなら、この人に殺されて、ボスに殺されて死にたい。

そう、思った。

なんのことだろうと見るのも、もう遅い。

殺される。

そう、直感で感じた。

でも、なんでっ？

なんであなたが刺されているのですか？

俺には、理解できない…ｯ

なんで、？　なん、で？　不甲斐ない俺が殺されるだけだったのに…？

なんで

なんで？

手当をしたから、大事には至らなかった。

けど、けどっ、こんなの聞いてないよ？

ボス、傷だらけ。

嘘…？

しかも、もう、片目が機能しないかもしれないって…

どういうこと…？