第122話

特別 -th side-
3,319
2024/04/10 07:50 更新
テヒョン
テヒョン
また見てるのか…?




いつものように、兄さんのスマホを見ていたら

テヒョンが後ろから俺を抱きしめる。




グク
グク
うん。
兄さんの写真を見るのが好きなんだ…
テヒョン
テヒョン
そっか…
アイツ結構たくさん撮ってたんだな。
グク
グク
そうだね…
でも…ふふ。
ピント合ってないのばっかり。
テヒョン
テヒョン
確かに…下手くそだな。
グク
グク
うん…ふふ。
兄さんにも苦手な事があったんだね。
テヒョン
テヒョン
そうだな…。
アイツは何でも出来たから…。
テヒョンが懐かしそうに、

部屋の写真を見渡す。



前は…こうゆうテヒョンを見るのが辛かったんだ。




兄さんの事を想って、この部屋を見回す

テヒョンの表情を見ると

胸がギュッと苦しくなった。





だけどね、今は違うんだ。



兄さんの事を思い出している時の

優しく笑うテヒョンはすごく綺麗だから。




でも、本当は…僕だけを見てほしい。





…なんてね。





兄さんがいたからこそ


テヒョアと出会えて

今こうして一緒に過ごす時間があるのに。


ごめん…兄さん。



僕のヤキモチはなかなか治らないみたい。





そんな事ばかり考えてしまうから


スマホに視線を戻す。








兄さんのスマホの中には

空の写真や、テヒョンの写真ばかりなんだけど…



1枚…


この写真だけ…他の写真と明らかに違う物がある。


グク
グク
ねぇ、テヒョン?
この写真って…
テヒョン
テヒョン
え、何だこれ…?

おにぎり…?
テヒョンは画面を覗き込んで首を傾げる。



写っていたのは、

たったひとつのおにぎり。



おにぎりの後ろに背景のように

テヒョンらしき後ろ姿が映り込んでいる。





グク
グク
おにぎりだよね…
後ろはテヒョンかな?
テヒョン
テヒョン
おにぎり…

なんか見た事ある気がする…
少し考え込んだ後、

何かを思い出したように

写真に向かって指をさす。
テヒョン
テヒョン
あっ!これ…

あの、おにぎりじゃん!
グク
グク
おにぎり…だよね…?
おにぎりなのは、わかってる…




でも、何だかテヒョンは嬉しそう。
テヒョン
テヒョン
そっか…あの時の…

アイツ、こんなのまで写真撮ってたんだ…


懐かしむように写真を見つめるテヒョン。


その表情はどこか寂しげにも見える…
グク
グク
このおにぎりには、テヒョンと兄さんの
思い出があるの…?
テヒョン
テヒョン
うーん…

思い出って程じゃないんだけど。
今まですっかり忘れてたし…。

でも…
アイツは大切にしてくれてたんだ…
グク
グク
聞きたいな…兄さんの話。
テヒョンは僕の顔を覗き込んで
テヒョン
テヒョン
話してもいいけど…
頬に触れながら言う。
テヒョン
テヒョン
ヤキモチ妬かない…?
グク
グク
や、妬かないよ!
大丈夫だもん…
テヒョン
テヒョン
ははは…冗談だよ!

うん…あのさ、
このおにぎりは俺が作ったモノなんだ…
テヒョンは静かに語り出した。
ーth sideー



大学に入ってしばらくしてから、

ジミンと仲良くなって

友達と過ごす事が増えた。



みんないい奴でさ。


取り繕わない自然体の俺を

受け入れてくれるから

仲間と過ごす時間も悪くないなって思えたんだ。




あの日は昼休みにみんなで喋ってたんだけど、

ジミンがギャーギャー言いながら教室に戻ってきて、


いつもの俺の後ろ…ジョンウンの隣の席に座ったんだ。



ジミンがいるとさ、そこだけ何か明るくなるんだよ。





アイツ本当にすげぇ奴だよな。



俺みたいな奴まで、

いつの間にかみんなの輪の中で笑ってた。


ジミンがいなかったら

1人で何して過ごしてたんだろう。



やっぱりアイツには一生頭があがらない。



後ろの席を見ると


ジミンがジョンウンの肩に手を回して


他愛いもない話で盛り上がっていた。



表情をコロコロ変えながら話すジミンを

ジョンウンは笑顔で見ている。





ジミンとジョンウン…

2人は本当に仲がいい。




小さい頃からの幼馴染だっけ…





仲がいいってだけじゃない。


アイツら2人は心が繋がってるっていうか…





なんかよくわかんないけど…


とにかくそんな感じがしたんだ。




今思えば、2人の関係が羨ましかったんだと思う。






俺には…

そうゆう相手はいなかったから。






それに、ジョンウンの奴…



ジミンに肩を組まれて

なんかめっちゃ笑ってるし。







俺と2人の時は

なかなか目も合わせないのに。





ジミンといる時は、こんなに明るく笑うんだな。






俺の前では

そんな表情しないだろ?







チクッ…






なんか少し胸が痛い気がした。









ふいに、ジョンウンが俺に視線を向けるから


俺は思わず目を逸らす。






なんか…不自然だったかな。







まぁ、別にアイツの事を見てたのだって

大した意味はないし…






ほら…またジミンと仲良くしてんじゃん。





ジョンウンにとって

ジミンは特別な存在なんだろう。







アイツにとって俺は…






どうせ友達の1人。







はぁ…なんでこんな事が気になるんだろ…




あーくそ。

俺だけ意識してるみたいで

なんか癪にさわる。




別に…

ジョンウンの「特別」になりたいわけじゃない。








当時の俺は、そんな風に思っていたんだ。










〜 後半へ続く〜
こんにちは♪
こちらの更新はすごく久しぶりです🤭

こちらのお話はスピンオフ作品

空の彼方への第10話「特別」をテヒョンsideからみたお話です🤭

あの日、テヒョンがどんな風に感じていたのか…🤔

後半に続きますので、今しばらくお待ちください✨
空の彼方へも合わせてお読みいただけると幸いです✨



あと、お知らせなんですが…
こちらの作品が運営様よりR指定がかかってしまった為、プロフィール欄には作品が出て来なくなっています😅

何名かの方から、作品が見れなくなったと問い合わせ頂いたので、この場を借りてお知らせさせていただきます🤭
現在、3つの作品を書いています☺️

いつも読んで下さり本当にありがとうございます✨

プリ小説オーディオドラマ