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第10話

きっと、又何処かで。
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2025/11/10 17:50 更新




________





目の前が見えなかった。
唯、下に転がっていたあなたの生首と顔に呪いのように付着した血しぶきの匂いだけが、感覚を刺激していた。


心はブラックホールに飲まれたように、虚無だった。















嗚呼、助けられなかった。
俺が弱いばっかりに?



俺が悪い






俺が悪い








俺が悪い












俺が、悪い












こんな物語、もうごめんだ





根逗彌
化け物が、殺してやる
俺はこうなりたくなくて、強くなったのになぁ









声が…聞こえる



起きなさい
あなた。








これは…慈雨の声、





「私の実験で人殺しをする不届き者を狩りなさい」



「やってくれるよね?あなた。」




「私の可愛いモンシェリー」







慈雨、待て、待ってくれ!





私は君に言いたいことが…!






笑いならが頬を触る慈雨は瞼に遮断され、見えなくなってしまった。










嗚呼、酷いよ、慈雨。
分かっているくせに


















あーしは、根逗彌を尊敬していた。

こんな世界で、光をめざして進んでいたから。

あたしもそれを支えたいと思った。


ガキの頃からあーしは弱虫で、誰かを守れたことなんてなかった。
光なんてないと思った。
願い、祈れる神なんて作り物
所詮それで終わり
糞な世界でグズで弱いあーしはあーし自身に自負と不快感を抱いたまま。



何処にもいけないこの思いはずっと重く、日に日に募るばかりだった。
根逗彌に置いてかれている気がして、毎日憂鬱だった。
拠り所が、欲しかった。





なんでもいいんだ。なんでも






あなたの飛んだ頭と所々潰れた体…死体を見て、見たこともないほどの絶望した顔を根逗彌はしていた。



根逗彌も…きっと私と同じなのだろう。
自分で自分を殺す
自分を偽る。


自分の為に。










じゃあ今あーしが目の辺りにしているのはなんなのだろうか。
神なんていないと思っていた。




でも、それを見た瞬間、目が覚めたように視界がクリアになる。



切り離された首は赤黒い糸状の肉塊で切り離された胴体と頭を繋ぎ、ぐしゃっと潰れた内蔵や皮膚は再構築されてゆく。






なんだこれは…まるで神秘だ。
楼璢 戯羅
っはは!




此奴ならあーしを… 根逗彌を救ってくれる!



自分を殺し続ける私達を、救ってくれよ



神サマ!!







(なまえ)
あなた
「不届き者には鉄槌を!」
(なまえ)
あなた
「アブソリュート・シルド!」


目標を確認。


目標への裁判を開始します。







嫌だ…!
違う、違う!、
俺はただ、
ただぁぁぁあ”ぁぁ!!



判決を下します。
(なまえ)
あなた
「被告人を死刑に処す!」
ギロチン台に研の首が押さえつけられ、天使のように神々しい羽の生えた精霊達が紐に手を回す。

その天使たちは勢いよくギロチンの刃を研にふるってい、天使だったそれはどす黒い笑いで処刑人を嘲笑っていた。研の首は先のあなたの様に根逗彌と戯羅の前に転げ落ち、血液の異臭が放たれ、彼の世界を現実へと引き戻す。

屋城 根逗彌
楼璢 戯羅


根逗彌
どうして…、戯羅は、笑っているんだ?
これは、面白い状況なのか




なんだ、これは。





あんなのあなた、まるで、化け物じゃないか…!!
俺は、何が、したかったんだ、??
この現状は、なんだ??
理解ができない。
否、不能だ。
俺の全てが、ひっくり返されたようだ。
胃から汚物と混濁した感情が込み上げてくる。
気がつけば嘔吐を繰り返していた。

根逗彌
ゔっ、ごほっごほっ、
根逗彌
っは、っ、っ、は、っ
口や手は汚物まみれで激しい虚無があった。
何故、こんな事に、
楼璢 戯羅
おい、大丈夫か?
根逗彌
根逗彌
ぎ、羅、っ
戯羅の顔を見るど混濁していた感情がどす黒く更に濁ってゆく。


根逗彌
うっ、


此奴は、何故笑っていたんだ…、!
人間を殺すなんて、彼奴は…!!
嫌っていたはずだろぉ、っ
楼璢 戯羅
彼奴の事は気の毒だか…
楼璢 戯羅
仕方がねーんじゃねぇーか…
楼璢 戯羅
あいつのした相応の報いってやつだろーが。


戯、羅、…、


御前は、!!っそんな事言うやつじゃ、無かったっ、のに、
駄目だ、殺さなければ、っ
此処で俺たちの邪魔になるものはっ、
俺、達…っ?





もう、…僕は独りなのか、…?っ

(なまえ)
あなた
根逗彌さん、本当にありがとう。
(なまえ)
あなた
貴方のお陰で、彼女の言葉が聞けたよ。
(なまえ)
あなた
(、っはぁ、まぁ、結果的に僕という存在が死ねなかったのは…大きなミスだろうけど、)
(なまえ)
あなた
(全く、慈雨。貴方は何処まで私を困らせるのかい。)
(なまえ)
あなた
君があの時助けてくれなければ、私はあのままだったろう。
(なまえ)
あなた
正直、救われたんだ。


(なまえ)
あなた
本当に感謝している。

満面の笑みで語る彼女は…、僕が望んだ一言を、容易く口に出していた。

腰にあったナイフにかけていた手が緩んでしまった。
救った、…?もう、分からないな、っ
何が正解か、不正解かなんて、
考えたくないんだ…

朦朧とする意識の中、戯羅とあなたの呼ぶ声が遠くから聞こえていた。
それでも容赦なく瞼は閉じてゆく一方で、意識を奪われ眠りについた。






(なまえ)
あなた
はぁ。真逆私が…
(なまえ)
あなた
此処迄世界を壊していたとは__。



実験室を覆っていたのは結界で、私が前に見た景色は借り物の産物だった事が、即座にわかってしまった。

なぜなら当たりは酷く廃れていたからだ。
建物は倒れ、粉々になり人の死体と建物の瓦礫と混ざり酷い悪臭を放っていた。

こんなの、もう慣れっこで何も感じなかったけど。

草木は枯れ、酷く醜い有様だった。




硏の研究資料によると私から摘出される特殊ガスを用いて人類を滅亡させ人類の一弾上を行く生物を生み出し量産を企んでいたようだ。
(なまえ)
あなた
(なまえ)
あなた
なんてちっぽけな物に利用されたんだろうね…
(なまえ)
あなた
慈雨。

(なまえ)
あなた
君の研究で大勢が死んだよ。

(なまえ)
あなた
子供も。
(なまえ)
あなた
大人もね

(なまえ)
あなた
きっと君という人間が愛を求めた罰さ。

(なまえ)
あなた
互いに苦労するね、慈雨。
(なまえ)
あなた
君の罪を軽くする為に極力人は殺さないようにしないとね。


(なまえ)
あなた
次会うときは___
(なまえ)
あなた
死すら許されない永久トワに続く地獄かな_
少年__いや彼は齢1000歳にして幼く迚美しい容姿を持つ不老不死の彼は呪を愛しい人に掛けられた。
此処から先は長い。

沢山人を殺し、私は悶え苦しむだろうか__。
人の心を持たない私には縁がない感情か。
何処迄、私の自尊心を削り落とすのかい、慈雨。
でも、いつか死ねる_その日までは。





地獄で待っていてね。



地獄であったら、終わらない粛清を


清く正しく、二人で___。






空を遠い目で見上げる彼の真下の地面には一輪のロベリアが咲き誇っていた。

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