今日は、8月12日。
ペルセウス座流星群が見れる日だ。
もう、みんな寝る準備に入っているなか、
私はひとり、屋上に向かった。
スマホの情報を頼りに、
深夜11時30分。
屋上にシートを敷き、
寝転がった。
自分の、プレイリストを流す。
ここには、ロクデナシさんの、
アルビレオや、スピカなどの曲や、
優里さんのベテルギウスなど、
綺麗な曲が入っている。
今日は、月が丁度隠れて、
星が綺麗に輝いている。
今日は、20分程経っても、流れていなかった。
こんなに流れないのは、自分のなかで久々だった。
誰かが、屋上に来て、自分にひざ掛けを被せた
半袖短パンだったため、結構肌寒く、
助かった。
声の主は、
じゃっぴだった。
このセリフは、いつもの言葉。
流星群の日に、空を見てると、
毎回現れて、毎回聞いてくる。
2人で、空を見上げながら、
じゃっぴにペルセウス座の話をした。
こんな自分の趣味の話に聞いてくれるじゃっぴは、
毎回とても優しい。
話が終わって、また、2人で、空を見上げていた。
すると…
空に、綺麗な1本の線が引かれた。
いつも以上に、綺麗に流れていた。
星の話なんか、きっとじゃっぴは興味ない。
そう思っていた。
私は、その言葉にふっと、
口角が上がった。
そうして、じゃっぴに話を聞かせていく。
ペルセウスは、ゼウスとダエナーの子供。
祖父のアルゴス国の王が、
「お前は将来、自分の孫に殺されるだろう」
という神託を受けて恐怖をして、
殺そうとしたが、自分の手で殺すと
「神々の罰や呪い」を受けると考え、海に流したそうだ。
じゃっぴは、興奮していた。
少し、落ち込んだが、
メドゥーサの話が気になっていた。
2回、繰り返していた。
すると、じゃっぴは流れてきた流星を見て
こう言った。
流星は、長くとも1秒程度も流れていない。
願い事を3回言うには、少し無理がある。
これは、学生時代、
サークルの先輩から教えてもらった秘訣だ。
もう、1時30分。
時間は、流星と同じで
あっという間に過ぎてゆく。
流星が流れたら
お願いごとよりも、
流れた衝撃のほうが
強く出て、お願いを言うことを
どうしても忘れてしまう。
私の願いは、
長すぎるから。
流れている間に、
言うことは不可能に近い。
これは、自分の精一杯の言葉。
今の自分に、
あの言葉を言う権利はないし、
言える口実もないから。
どういう…意味なのだろうか。
夏にしては、今日は涼しい日。
夜になって、余計に涼しくなって、
肌寒くなってきている。
だが、じゃっぴが持ってきたひざ掛けのおかげで
そんなに寒くはない。
なぜか、落ち込んだような
声のトーンだった。
じゃっぴは、
夜遅くても、
日にちを超えようとも、
私が部屋に帰るまで、
一緒に空を見ていてくれる。
私のことを見つけてくれて。
ありがとう。
私と、出会ってくれて、ありがとう。
私は、星に、願うよ。
君のことを。
















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。