結局、何が何だかわからないまま一週間が過ぎた。
今は数学の時間。 あと5分で授業が終了する。 この授業が終わればお昼ご飯。
…どこで食べようか。
キーンコーンカーンコーン…キーンコーンカーンコーン…
チャイムが鳴った。 先生がため息をつく。
クラスメイトのほぼ全員がため息をつく。
____________本当に仲がいいと思う。(遠い目)
日直の子が棒読みで号令をかける。
「ありがとうございましたー」
ガタガタと、椅子を引く音が響く。
__どこで食べよう。
桜の木が目に入る。今は青葉が茂っていて、心地よい木陰を作っている。
桜…桜…… ぁ、
私はお弁当を持って軽い足取りで教室を出た。
あぁ、たのしm____
…あぁ、クラスメイトの、
笑顔を作ってみせる。…慣れたものだ。
しょんぼりとするその子。
されたままも嫌だから、最後にこう付け足した。
耳元で囁く。
優しく、少し口を小さく動かして、
ほんの少し甘い声で囁けば
頬を赤く染める。___ほんと、人って面白い。
後ろは振り向かずに、歩き去る。
笑顔を、崩して
校舎の端の御手洗に向かう。
※昔のお話なので新校舎はなく、旧校舎のみで進行しております。
扉を開けると、優しい光がステンドグラスと窓ガラス越しに御手洗に差し込んでいる。
そして、
緑の髪で
綺麗なエメラルドの瞳をした、
あの人がいた。
…私の、大好きな人、
きらきらした、私の大切な人。
少し言うのが恥ずかしくて、頰が熱くなる
緑色の綺麗な髪を耳に掛けて、微笑む先輩。
楽しい時間も過ぎ、チャイムが鳴った。
少し名残惜しいが、仕方ない。 時には抗えない。
お礼をして、御手洗から去る。
__________廊下には 太陽の木漏れ日がさしていた。
午後の授業も終わり、放課後になった。
外からは運動部の人たちの声が聞こえてくる。
_______部活、どうしようか、、
行かないっていう手もあるけど、完成させたい絵があるし…
うーん、、
行こうかな、
美術室に入る。 誰も来ていない。
______________それもそうか、 私以外いないし。
鼻歌を歌いながら準備をする。
誰もいないからといって、堂々と歌うわけにはいかないからなぁ、、
まぁ、さっき人がいなかったから口ずさむくらいは、、
コンコンコン
ノックする音がして、少しびっくりしてしまう。
席を立って、扉の方に歩く。
___何と無く、嫌な予感がした。
ぶすりと、胸を刺された。
黒い服を着た、中背の男だった。
___許せなかったと同時に感謝をした。
心臓がどくどくとせわしなく動いている。__あぁ、似た感覚。
ごひゅっ、 と嫌な音がしたと思った。 口から血が溢れた。
その男は驚いたのか、少し後ずさった。
私は、笑った。晴れやかに、晴れやかに。
男は冷や汗をかいてこちらを見ていた。
…逃げようとしている。
ごんっ 、
と私は金槌をその男の頭に向かって打ちつけた。
血が、垂れた。そしてふらりと男が倒れた。
視界がぐにゃりと歪んだ。_____あぁ、貧血の時みたい。
私も、膝から崩れ落ちた。
血の海の中で、唯、思ったことは………
ぶつん、 と光が切れた。
西園寺 禮 。
刺殺による出血多量により、 死亡。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。