朝から生理痛とか最悪だ…
起きてからずっと身体が重い。
そして腹痛がつらい。
学校行かなきゃなのに、、
そう言って、お母さんは家を出た。
ーそれから数十分後ー
あなたの腹痛は少しずつおさまってきていた。
私はソファーから立ち上がり、リュックを背負って家を出た。
今は5月。
外は暖かく、今日はいつもより家を出る時間が遅かったのもあって、むしろ少し暑いくらいだ。
学校まであと半分、というところまで来たとき。
4歳くらいだろうか。
ツインテールをしたつり目の女の子が、道端でわめいていた。
せっかく可愛いのに、顔を歪めて今にも泣き出しそうな顔をしている。
女の子の正面には、高校生くらいの男の人が、女の子と同じ目線になってしゃがんでいる。
私には背を向けていて顔は見えないが、制服から見て、きっと私と同じ高校の生徒だ。
私は木の影からその様子を見ていた。
きっとこのままでは、女の子は保育園へ行かないだろう。
お兄さんも朝から大変だな、、
お兄さんが優しく問う。
女の子はお兄さんと目の前の保育園へと入っていく。
しばらくして、お兄さんが出てきた。
…あれ、あの人って、、
そう呼びかけられ振り向いたのは、、
やはり武内だった。
武内はバツの悪そうな顔をする。
それから、そっぽを向きながら首を縦に振った。
武内がきつく睨んでくるので、あわてて話を逸らす。
武内は遠くを見ながら歩き出す。
私も武内に置いていかれないように歩き出す。
武内は、儚く優しい、初めて見る顔をしていた。
彼はそう言って笑った。
でも、その目は悲しそうだった。
私たちはときどき言葉を交わしながら、学校へ向かった。
今まで思い込んでいた武内と、今日知った武内は全然違った。
あの冷たそうに見えていた武内と、
少し距離が縮まったような気がしてる。

















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!