鏡の間___そこでは黒い式典服に身を包んだ生徒たちが集まっていた
入学式の扉を開ける前は名も知らぬ生徒たちのクロウリーに対する色んな文句?が飛び交っていたというのに
闇の鏡が導き出したその言葉に、クロウリーを含め他の生徒ら、そしてあなたもユウを見つめた
周りがざわついている中ユウはポカンとしていた
あなたはというとそんなことあるんだとでも言うようにユウを見ていた
その時捕まえていた見知らぬ獣がクロウリーの手から抜け出し
!
ちょっとやな予感
まさかコイツ
その瞬間、獣は青い炎を鏡の間で吹き出した
クロウリーがそう言うもすぐに動き出す者は1人もおらず、ユウやあなたはその様子を見ていることしかできなかった
少しして
あろうことかこの非常事態に言い争いを始める者もいる
?
今、電子機器から声がした?
思わず声のした方へ視線を向けると
青いタブレットのようなものが空中に浮いていた
クロウリーは自由な生徒たちに向けてそう言った
あの獣グリムっていうのね
グリムはそう言いまた炎を吹き続けた
あの二人がこの騒動を沈めるようだが…
最後の最後でなにかしかけてきそう
な〜んてそんなことを考えているから
すると
多くの鏡が辺りに散らばり
炎を吸収していった
風圧が大きかったのかフードが取れてしまった
まぁいいけど
ガチャン!
グリムの首には赤と黒のハート型の首輪のようなものが掛けられていた
何気に可愛らしいものである
グリムは炎を吹き出そうとするも
出てくるのは自分の息だけだった
今欲しいって言ったよねあの人
そう言うと生徒の誰かがグリムをつまみあげ
そのまま外へ連れていかれた
少し可哀想な気もするが…
そう言うと辺りがざわつき変な視線も向けられ始めた
ここ男子校なのか
成程…だからここ男子しかいなかったのか
周りから一斉に野次が飛びまわるが
「ドラコ二ア」と聞いて新入生達がザワつき始めた
モブ1「ドラコニアって……まさか”あの”マレウス・ドラコニア?」
モブ2「この学校に通ってるってマジだったのかよ」
モブ3「怖えぇ……」
そんなにそのドラコニアとかいう人は恐れられてるのかしら
その時、1人の生徒が鏡の間にやってきた
”また”って…
そう言い、他の生徒達は鏡の間を出て行った
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!