第4話

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2023/02/16 10:10
鏡の間___そこでは黒い式典服に身を包んだ生徒たちが集まっていた

入学式の扉を開ける前は名も知らぬ生徒たちのクロウリーに対する色んな文句?が飛び交っていたというのに
学園長(クロウリー)
学園長(クロウリー)
さあ、寮分けがまだなのは君達だけですよ
狸くんは私が預っておきますから、早く闇の鏡の前へ
(なまえ)・ラルド
あなた・ラルド
お先にどうぞ
ユウ(監督生)
ユウ(監督生)
あ、じゃあ俺から
闇の鏡
闇の鏡
汝の名を告げよ
ユウ(監督生)
ユウ(監督生)
…ユウです
闇の鏡
闇の鏡
ユウ……汝の魂のかたちは……
………………わからぬ
(なまえ)・ラルド
あなた・ラルド
学園長(クロウリー)
学園長(クロウリー)
何ですって?
闇の鏡が導き出したその言葉に、クロウリーを含め他の生徒ら、そしてあなたもユウを見つめた
闇の鏡
闇の鏡
この者からは魔力の波長が一切感じられない……
色も、形も、一切の無である
よって、どの寮にもふさわしくない!
周りがざわついている中ユウはポカンとしていた

あなたはというとそんなことあるんだとでも言うようにユウを見ていた
(なまえ)・ラルド
あなた・ラルド
(彼がそうなら私もそうなるのかしら
そもそも異能って使えるのかしら?)
学園長(クロウリー)
学園長(クロウリー)
魔法が使えないニンゲンを黒き馬車が迎えに行くなんてありえない
生徒選定の手違いなど、この100年ただの一度もなかったはず
一体なぜ……
その時捕まえていた見知らぬ獣がクロウリーの手から抜け出し
グリム
グリム
だったらその席、オレ様に譲るんだゾ!
学園長(クロウリー)
学園長(クロウリー)
あ!待ちなさい!この狸!


ちょっとやな予感
グリム
グリム
そこのニンゲンと違ってオレ様は魔法が使えるんだゾ!だから代わりにオレ様を学校に入れろ!
魔法ならとびっきりのを今見せてやるんだゾ!
まさかコイツ
(なまえ)・ラルド
あなた・ラルド
みんな伏せて!
その瞬間、獣は青い炎を鏡の間で吹き出した
カリム・アルアジーム
カリム・アルアジーム
うわあ!!あちちちっ!尻に火が!
学園長(クロウリー)
学園長(クロウリー)
このままでは学園が火の海です!誰かあの狸を捕まえてください!
クロウリーがそう言うもすぐに動き出す者は1人もおらず、ユウやあなたはその様子を見ていることしかできなかった

少しして
レオナ・キングスカラー
レオナ・キングスカラー
チッ……かったりぃな
ヴィル・シェーンハイト
ヴィル・シェーンハイト
アラ、狩りはお得意でしょ?まるまる太った絶好のオヤツじゃない
レオナ・キングスカラー
レオナ・キングスカラー
なんで俺が。テメェがやれよ
あろうことかこの非常事態に言い争いを始める者もいる
アズール・アーシェングロット
アズール・アーシェングロット
クロウリー先生、おまかせください
いたいけな小動物をいたぶって捕獲するというみなさんが嫌がる役目、この僕が請け負います
イデア・シュラウド
イデア・シュラウド
さすがアズール氏。内心の点数稼ぎキマシタワー


今、電子機器から声がした?

思わず声のした方へ視線を向けると

青いタブレットのようなものが空中に浮いていた
(なまえ)・ラルド
あなた・ラルド
(今どき凄いのね…)
カリム・アルアジーム
カリム・アルアジーム
なあ、誰かオレのケツの火ぃ消してくれてもよくねえ!?
学園長(クロウリー)
学園長(クロウリー)
みなさん、私の話聞いてます!?
クロウリーは自由な生徒たちに向けてそう言った
レオナ・キングスカラー
レオナ・キングスカラー
はぁ…。狸捕まえるくらいアンタがやりゃいいだろ、センセー
グリム
グリム
オレ様は狸じゃねーって何度言わせるんだゾ!
偉大なる魔法士になる男・グリムとはオレ様のことだゾー!
あの獣グリムっていうのね

グリムはそう言いまた炎を吹き続けた
アズール・アーシェングロット
アズール・アーシェングロット
威勢のいい小動物ですね。リドルさん、お願いできますか?
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
違反者は見逃せないからね。さっさと済ませるとしよう
あの二人がこの騒動を沈めるようだが…
(なまえ)・ラルド
あなた・ラルド
簡単に鎮まってくれるかしら
ユウ(監督生)
ユウ(監督生)
え?
(なまえ)・ラルド
あなた・ラルド
?…あぁあのグリムとかいう獣…諦め悪そうだし
最後の最後でなにかしかけてきそう

な〜んてそんなことを考えているから
グリム
グリム
オレ様は…オレ様は諦めないんだゾ〜!!
ふな“〜〜!
アズール・アーシェングロット
アズール・アーシェングロット
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
!そこの君たち危ない!
ユウ(監督生)
ユウ(監督生)
え!?
(なまえ)・ラルド
あなた・ラルド
あらま…フラグ立てちゃった
ユウ(監督生)
ユウ(監督生)
そんなこと言ってる場合!?
(なまえ)・ラルド
あなた・ラルド
こっちによって
ユウ(監督生)
ユウ(監督生)
へ?
(なまえ)・ラルド
あなた・ラルド
吹き飛ばされないようにね
異能力『かがみの孤城』
すると

多くの鏡が辺りに散らばり

炎を吸収していった

風圧が大きかったのかフードが取れてしまった

まぁいいけど
(なまえ)・ラルド
あなた・ラルド
ふぅ…大丈夫?
ユウ(監督生)
ユウ(監督生)
え?う、うん
アズール・アーシェングロット
アズール・アーシェングロット
…!リドルさん!
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
あ、ああ!  首をはねろ  オフ・ウィズ・ユア・ヘッド
ガチャン!
グリム
グリム
ふぎゃっ!?なんじゃこりゃ!?
グリムの首には赤と黒のハート型の首輪のようなものが掛けられていた


何気に可愛らしいものである
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
ハートの女王の法律第23条
『祭典の場に猫を連れ込んではならない』
猫である君の乱入は重大なルール違反だ
即刻退場してもらおうか
グリム
グリム
オレ様は猫でもねぇ~っ!!こんな首輪すぐに燃やして……
あ、あれ?炎が出ねぇんだゾ!
グリムは炎を吹き出そうとするも

出てくるのは自分の息だけだった
(なまえ)・ラルド
あなた・ラルド
ほぉ…魔封じか
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
ふん!ボクがその首輪を外すまでキミは魔法を使えない。ただの猫同然さ
グリム
グリム
に、にゃにー!?オレ様はペットじゃねーんだゾ!
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
心配しなくてもキミみたいなペット、こっちから願い下げだ
ま、学園からつまみ出される頃には外れてるよ
アズール・アーシェングロット
アズール・アーシェングロット
いや~、相変わらず素晴らしいですね
どんな魔法でも封じてしまう、リドルさんのユニーク魔法絶対に欲しい……じゃなくて、僕なら絶対にかけられたくありません
今欲しいって言ったよねあの人
学園長(クロウリー)
学園長(クロウリー)
どうにかしてください!あなた方の使い魔でしょう!?しっかり躾を……
ユウ(監督生)
ユウ(監督生)
だから俺のじゃねぇ!
学園長(クロウリー)
学園長(クロウリー)
え?違うんですか?では…
(なまえ)・ラルド
あなた・ラルド
私のでもないですよ
学園長(クロウリー)
学園長(クロウリー)
え?あなた方のではないのですか?
ユウ(監督生)
ユウ(監督生)
人の話聞けよ!
(なまえ)・ラルド
あなた・ラルド
変なペストマスクのおかげで耳まで遠いのかしら?
学園長(クロウリー)
学園長(クロウリー)
このマスクは関係ないですからね!
…ごほん!では、学園外に放り出しておきましょう
鍋にしたりはしません、私、優しいので
誰かお願いします
そう言うと生徒の誰かがグリムをつまみあげ
グリム
グリム
ぎにゃー!離すんだゾ!オレ様は……絶対、絶対!
大魔法士になってやるんだゾー……!
そのまま外へ連れていかれた

少し可哀想な気もするが…
(なまえ)・ラルド
あなた・ラルド
気の所為だろうボソッ
学園長(クロウリー)
学園長(クロウリー)
さぁ、あとは貴方だけですよと言いたいところですが、貴方まさか女性の方ですか?
(なまえ)・ラルド
あなた・ラルド
以下にもそうですが?
そう言うと辺りがざわつき変な視線も向けられ始めた
学園長(クロウリー)
学園長(クロウリー)
皆さんお静かに!
…一度闇の鏡に判定を
闇の鏡
闇の鏡
汝の名を告げよ
(なまえ)・ラルド
あなた・ラルド
あなた・ラルド
闇の鏡
闇の鏡
あなた・ラルド
汝の形は…オクタヴィネル
学園長(クロウリー)
学園長(クロウリー)
おやそうなのですね、では列にお並びください
闇の鏡
闇の鏡
だが、オクタヴィネルのように慈悲の心を持つが汝に最も近い魂の形はディアソムニア
学園長(クロウリー)
学園長(クロウリー)
次はディアソムニア…
あなたさんはどちらの寮へ行きたいですか?
(なまえ)・ラルド
あなた・ラルド
どちらでも
そもそもあったこともない相手の寮へ行くなんて無謀なのもいいところですしね
学園長(クロウリー)
学園長(クロウリー)
ふむ…では一度オクタヴィネル寮とディアソムニア寮2つの寮を一度見て見てください
見終わったあと、また質問します
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
学園長、彼女は女性のかた
ここは男子校なのですよこれは規則違反なのでは?
ここ男子校なのか

成程…だからここ男子しかいなかったのか
学園長(クロウリー)
学園長(クロウリー)
このような事態になってしまいましたが、このような逸材…逃がすいえ帰らせるなんて言語道断です
よって特待生制度を使っての入学とします
周りから一斉に野次が飛びまわるが
学園長(クロウリー)
学園長(クロウリー)
御黙りなさい、これは決定事項です
少々予定外のトラブルはありましたが、入学式はこれにて閉会とします
各寮長は新入生をつれて寮へ戻ってください……ん?そういえば、ディアソムニア寮、寮長のドラコ二アくんの姿が見えないようですが……
レオナ・キングスカラー
レオナ・キングスカラー
アイツがいないのはいつものことだろ?
カリム・アルアジーム
カリム・アルアジーム
あれ?もしかして誰も式のこと伝えてないのか?
ヴィル・シェーンハイト
ヴィル・シェーンハイト
そんなに言うならアンタが伝えてやればよかったじゃない
カリム・アルアジーム
カリム・アルアジーム
うーん。でもオレ、アイツのことあんま知らないんだよなー
「ドラコ二ア」と聞いて新入生達がザワつき始めた



モブ1「ドラコニアって……まさか”あの”マレウス・ドラコニア?」





モブ2「この学校に通ってるってマジだったのかよ」





モブ3「怖えぇ……」



そんなにそのドラコニアとかいう人は恐れられてるのかしら




その時、1人の生徒が鏡の間にやってきた
リリア・ヴァンルージュ
リリア・ヴァンルージュ
___おお、やはり。もしやと思って来てみたがマレウスは来ておらなんだか
”また”式典の知らせが届いてなかったとみえる

”また”って…
アズール・アーシェングロット
アズール・アーシェングロット
申し訳ありません。決して仲間外れにしたわけじゃないんですよ
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
どうも彼には声をかけずらいオーラがあるんだよね
リリア・ヴァンルージュ
リリア・ヴァンルージュ
まあよい。ディアソムニア寮の者はわしに付いてくるがいい
……あやつ、拗ねてなければ良いが……
学園長(クロウリー)
学園長(クロウリー)
あぁ、ヴァンルージュ君
リリア・ヴァンルージュ
リリア・ヴァンルージュ
なんじゃ?
学園長(クロウリー)
学園長(クロウリー)
闇の鏡の前にいる女性の方…彼女は特待生として入学するにあたって後日闇の鏡によって判定されたオクタヴィネル寮、ディアソムニア寮の見学に参りますのでドラコニア君にもお伝え下さい
リリア・ヴァンルージュ
リリア・ヴァンルージュ
あいわかった
そう言い、他の生徒達は鏡の間を出て行った

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