第11話

#10 書き換わる黒板
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2026/02/11 11:00 更新
類が話した「減る階段」の真相は、なんとも悲しい話であった。
神代類
神代類
……今はもう、2時を超えてしまっているね
白石杏
白石杏
うわ……ホントだ
そう言って、白石さんはみんなにスマホを見せた。

圏外のスマホは、たしかに2:17を示している。

普段ならもうとっくのとうに寝ている時間だ。

だが、不思議と眠気は感じない。

アドレナリンだかなにかのせいかな。
神代類
神代類
……次は、寧々と青柳くんの探索ですかね
青柳冬弥
青柳冬弥
なら、本校舎の方に行きましょうか
草薙寧々
草薙寧々
そうだね
私、類、暁山さん、東雲さんと白石さん、東雲くん、青柳くん、司の2グループに別れて教室を探す。

「アイテム」がないか調べて、開かずの教室でないかを確認する。

3年生の方から順々に見てきたけれど、黒板は(汚さの差はあれど)みんな消されていたし、扉は全て開いた。

開かずの教室も、書き替わる黒板も今のところ見当たらない。
草薙寧々
草薙寧々
……私達のグループは、ここが最後……
暁山瑞希
暁山瑞希
……あ、なんか黒板に書いてあるよ?
神代類
神代類
おや、本当だ
東雲絵名
東雲絵名
失礼しま〜す……
そう言いながら、東雲さんが静かに扉を開ける。

黒板に書かれた授業内容は、1年生の秋頃に受けた覚えのある授業だ。

このクラスは1-Cなので、黒板が1年生の学習内容なのに違和感はない。
暁山瑞希
暁山瑞希
うーん……机の中、探ってみる?
草薙寧々
草薙寧々
置き勉してる人がいるんじゃ……
暁山瑞希
暁山瑞希
あー、そっか……
東雲絵名
東雲絵名
理科室みたいに、教卓とかになにかないのかな
そう呟いて、東雲さんは教卓に近づき手を突っ込む。

日誌や座席表を取り出して、その後、ノートのような厚さの本を手に取った。
東雲絵名
東雲絵名
うーん……なんだろう、これ
類が東雲さんの手にあるノートを照らす。

「大庭 翔也」という人のノートらしい。
神代類
神代類
……「やりたい42のこと」
神代類
神代類
いや……42に取り消し線が書かれているね
神代類
神代類
「やりたい41のこと」……かな
暁山瑞希
暁山瑞希
ひとつ減らしたんだ
草薙寧々
草薙寧々
……覗いても、いいかな
東雲絵名
東雲絵名
もう……これ以上気を使ってもしょうがないんじゃない?
まあ、鍵をして痕跡をなくしたとはいえ、文書庫に行った時点でもう……という話はある。

七不思議を探索しないと出られないわけだし……

しかたない、よね。
草薙寧々
草薙寧々
…………
ぺらり。

ページを開いて1ページ目、一番最初の項目に、胸を打たれた。

「1,病院のベットじゃなくて、家の布団で寝る」

その一文で、大庭さんとやらがどんな状況にいたのかが察せられてしまう。

誰も、何も言わない。

ただ静かに、ノートを見つめていた。

何度かページを捲ると、最後の項目が書かれたページに辿り着く。

そこには____


「42,1日中授業を受ける」
草薙寧々
草薙寧々
……だから、だったんだ
42番目の項目には、取り消し線。

きっと、無理だと察したんだろう。

だから、取り消して、最初から願いが41個しかなかったかのようにした。

鉛筆で書かれているそれが消されていないのは、きっと心の奥底で叶ってほしいと願っていたから。

黒板を見れば、「欠席:大庭 翔也」と書かれている。

私は、無言でその文字を消した。

そして、「欠席:なし」と書き換える。

そのまま、調査書を取り出した。
「問一、「書き換わる黒板」は実在するか」
答、実在する

「問二、発生場所はどこか」
答、1-C

「問三、なぜ生まれたか」
答、病床についても授業を受けたいと願ったから

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