第4話

鼻擽る 畳の匂い 君の匂い
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2023/08/09 01:47
部屋に1人だけになった緊張で呼吸が荒くなる
どんな人なのだろうか、どんな声なのだろうか
どんな顔なのだろうか、どんな匂いなのだろうか
しょうとさんと呼べばいいのか、轟焦凍さんと
呼べばいいのか、私はどんな表情をして彼に会えばいいのだろうか
コンコンっと部屋がノックされた私は咄嗟に身をかまえ深呼吸をした
轟冬美
これお茶だよー良かったら飲んで!無くなったらここに置いてあるの入れてねー!
あなた
あ、ありがとうございます
なんだ、冬美さんかよかった、冬美さんには会ったことがある、一度ここに来た時に少しだけ話したその日は冬美さんと夏雄さんしかいなかったが2人はとてもやさしく話しかけてくれて私は安心していたそうだ、あの二人がこんなに優しいならきっとしょうとさんだって優しいのでは?
轟冬美
あなたちゃん緊張してる?大丈夫だよ!
あなた
そう、ですか?
轟冬美
うん!あとちょっと待ってねー!
あなた
はい、
パタンっと扉がしまりさっきまでの安心感が無くなってしまった扉を閉めた時に出来た風が私をくすぐった畳の匂いとお茶の匂いがする冬美さんのような人なら私はどれだけ気が楽になれるかどんな人でも私は幸せな家系を作ることが出来るのか、冷たい人なら私はどうしたらいいのか、
静かに扉が開いた、
あなた
初めましてあなたです
轟焦凍
焦凍だ
右の額には大きなやけどがあり、赤い髪の毛は今にも燃え出しそうで目の色は青く反対は綺麗な青色反対は灰色でオッドアイだ私と同じ、真っ直ぐな髪の毛はお母さん譲りなのだろうか私の目は彼に奪われ目をそらすことが出来なかった整った顔の中にあるやけどが余計に目を釘付ける柔軟剤の優しい匂いが私の鼻をくすぐる彼の鋭い目が私を見る沈黙をどうにかしたい
轟焦凍
お前はなんのためにここに来た、金か
あなた
そうです、けど
轟焦凍
やっぱりなそうなら出てってくれ

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