冷たい風が頬を撫でるのを感じる。
うっすらと、少しだけ目を開いてみる。
目を開いても閉じても、同じ景色…真っ暗。
目を開けているかすらどうかすら分からなくなりそうだ。
何も見えない中できょろきょろと辺りを見渡す。
…本当に何も無さそうだ。
遠くの方からすらいむさんの鳴き声が聞こえる。
微かに、でもはっきりとした声…
声のする方へ恐る恐る歩くと、炎が見えた。
ばちばちばち…っと、火花の音。
この暗がりの中での、唯一の灯りだ。
炎の傍にちょこんと置物のように座っているすらいむさん。何やらどこか得意げだ。
当たり前だろうといわんばかりの顔で胸を張る(ように見える)動作。可愛い…じゃなくて、
こんなに暗いということは洞窟かなにか…身を隠せることであるのには違いない。
きっとアメリカさんが運んでくれたんだろうけど…さっきから姿が見つからない。
手をバタバタしながら何かを訴えるすらいむさん。
申し訳ないけど、何も分からない……
落ち込ませてしまった…申し訳ない。
こうしてしばらく火にあたることにした。
ガサッ…トットットットッ…
突然何かの物音。まるで足音のようだ…足音…
…人!?
もし、アメリカさんじゃなかったら…
もし、危ない人だったら…?
そうこう考えているうちに足音は近づいてくる。
まあまあ近くなった所でようやく気付いた。
足音、2人分だ。
トットットットッ…ザッザッザッ…
異なる足音。間違いない…2人いる。
気付いたら私の前にちょこんと移動しているすらいむさん。まるで私を守るかのように短い腕を広げている。
……そうだ。怯えてる場合じゃない。
人間2人なんて、そう恐れることない…こっちには武器だってあるんだ。
そっと音を立てずに剣を握りしめる。
…この声……もしかして、
時はしばし遡って……
日本をすらいむに任せた後、洞窟の外で食料探しをしていたが、ろくなものが無い!
なんで明らか食べれない紫色のキノコとか真っ黒い木の実…らしきものとか、そんな変なのしかねえんだよ!!
もっと分かりやすく食べ物なん出せよ!
……まあ、こんなんでキレても仕方ねえし…
どうするかな、、何かは持って帰りたいんだが…
ガサッザッッ
確かに葉っぱが擦れるような音がしたな…
人がいる、!?
え、人がいたら食べ物貰えるかもじゃん、ラッキー!
そう考えてたらなんか人の気配もする気が来てきた!
そーときまりゃ、早速音がした方にっと…
念じるって抽象的だな…ん〜…
で、でてこい…でてこい…?
…俺何やらされてんの、!?
そう1人心の中で騒いでいるとふわっと目の前に文字が浮び上がる。
軽く圧をかけるだけで余裕で凄んだ。
らくしょーだな…ふっ…
そうして日本がいる洞窟へ向かうことになった…
んだが。
渋々と念じ始めるJapan。
すごい一生懸命さが伝わってくる顔で。
なんか話の流れがはええんだけど…
ついていけてないのってまさか…













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。