屋上には佐久間先生がいて、
1人で空を見ていた。
『佐久間先生?』
呼びかけると振り向いて
頬には涙が……
佐久間「あっあなたじゃん。あれ彼氏さんは?」
やっぱり知られてる。
なんでこんなに先生達には知られた事が嫌なんだろう。
誤解をとくためにすぐに私は
『違う!』
大きな声で言ってしまった。
佐久間先生は驚いた顔をしている。
佐久間「あなたどうしたの。何が違う?」
『だから西畑くんとは付き合ってないんです。』
佐久間「付き合ってないの?」
『はい 』
佐久間先生は笑顔を見せて
佐久間「そうだったんだー。良かった」
良かった?なんで良かった?
佐久間「あなたと話すの好きだからさ」
佐久間先生は顔を赤くさせた。
『私も好きです。お話するの。 』
佐久間先生はこっちにきて
佐久間「久しぶりにさ、4人でお話しない?」
『はい!したいです。』
佐久間先生はいつもの空き教室と言って
屋上からいなくなった。
久しぶりに4人で話す事が楽しみな事と
誤解を溶けた事が嬉しくて嬉しい。
けど西畑くんには申し訳ない。
だって私の好きな人は
先生達の中にいるんだから。
叶う訳がないのだから。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!