この資料どこに運んでって言われたっけ…
先生にさっき資料を運べって言われたんだけど、どこに運ぶか聞いてなかったんだよなあ
脳内で学校の地図を広げていた時だった
廊下の曲がり角で誰かとぶつかってしまった
その反動で持ってる資料全部が周りに飛び散った
私は急いでしゃがんで集めようとした時、隣からも同じように手が伸び、手が重なった
手は私より少し大きいけどすごく綺麗な手だった
でもところどころ絆創膏とか切傷のあととか…よく見ると痛々しい手になっていた
心配になって私はその手に触れようと近づけた瞬間、その人はパッと手を後ろに隠した
なんと私とぶつかった人はあの人気者生徒会長のじゃぱぱさんだった
じゃぱぱさんは今まで見たことないぐらい辛そうに笑っていた
やだ…そんなふうに笑わないでよ……
その笑顔の奥にはなんだか触れちゃいけない境界線を引かれている気がして
じゃぱぱさんは急に意地悪な笑顔になると、私の口の前に人差し指を重ね、パチンとウインクをした
や、やだっ……!!!なんでこんな顔熱くなるのっ…!
じゃぱぱさんの顔を直視できなくて目を逸らす
私が赤まった体を落ち着かせている間にじゃぱぱさんは資料を集めて、はい、と渡してくれた
すると、私から資料をひょいと奪うと、たちあがった
もうじゃぱぱさんはつらそうな笑顔はしてなくていつものプリンススマイルだった













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。