第11話

しつこい同期からのお誘い
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2024/03/22 09:00 更新
 耀は和秋の事件資料を広げた自分のデスクで頭を抱えていた。
 その理由は、昨日の千光のことで頭がいっぱいになり、和秋の事件の捜査どころではない状態になっているからだ。
仙場耀
はぁ……。どうしたらいいんだ?
安斉
どうした~?頭を抱えながら深刻な顔して~
仙場耀
うるさい、安斉。
何の用だ?
安斉
はぁ~何だよもう〜
お誘いに来たんだよ。
 耀は、安斉が言うお誘いは信用できない。
 何故なら、安斉にお誘いと言われてついて行くと大抵、合コンかカラオケに連れて行かれるからである。
仙場耀
信用ならない。
どうせ、合コンかカラオケだろ?
安斉
俺を何だと思ってるんだよ~
違うって、仕事のほう!
これから、システムズサファリナ株式会社の社長に殺人未遂事件の話を訊きに行くんだよ!
安斉
耀も一緒に来るか?
お前だって、和秋さんの働いていた部署に和秋さんのことについて話を訊けるし、おまけに社長にも話を訊ける、いい誘いだと思わないか?
 耀は和秋が働いていたシステムズサファリナ株式会社の方にも近々、話を訊きに行こうとしていたが、中々タイミングが合わずに行けていなかったのだ。
 安斉がそう言うならばと、耀は安斉からの誘いを了承した。
 2人はシステムズサファリナ株式会社に到着し、社長室に案内された。
安斉
本日はお忙しい中、お時間頂きありがとうございます。
私、お電話させていただきました警視庁捜査一課未解決事件捜査専門班の安斉と申します。
安斉
そして、こちらは同じ部署の仙場です。
仙場は別の事件の捜査で同行しております。
 安斉は社長に名刺を手渡すと、耀も名刺を手渡す。
仙場耀
同じく警視庁捜査一課未解決事件捜査専門班の仙場と申します。
私はシステム課で働いていた真夏夜和秋さんの事件の捜査で同行させて頂きました。
仙場耀
社長とシステム課の皆様にお話をお訊きしたいのですが、よろしいでしょうか?
社長
えぇ、構いません。
お話の後、秘書がシステム課までご案内させて頂きます。
仙場耀
ありがとうございます。
早速ですが、真夏夜和秋さんについてお訊きします……
 話を訊くとやはり、和秋は会社でも好印象で仕事ができると社長は言った。
 一通り社長に話を訊いた後、次に安斉が殺人未遂事件のことについて話を訊き始め、耀は秘書にシステム課がある場所を案内してもらった。
 
 先に秘書が中に入り、システム課の課長に話しをしてくれたようで、秘書が出てくると、「中にお入り下さい」と中に通された。そして秘書は耀に軽く会釈した後、去っていった。
仙場耀
皆さん。お忙しい中、申し訳ございません。
私、警視庁捜査一課未解決事件捜査専門班の仙場と申します。
仙場耀
先程、社長秘書の方がおっしゃった通り、真夏夜和秋さんの事件を調べておりまして、皆さんにお話しをお訊きしたいのですが、よろしいでしょうか?
八重霧晋
はい。あっ、申し遅れました。
私、システム課課長の八重霧晋と申します。
今なら作業を中断することができるので、大丈夫です。
八重霧晋
中には、真夏夜のことを知らない社員が3人いますが、それ以外の社員は全員知っています。
仙場耀
そうですか。
それでは、お一人ずつお話しをお訊きしますね。
 耀は1人ずつ和秋のことについて話を訊いていくと、途中であることに気づいた。
 当時、和秋のことについて知っている人物がもう一人いるはずなのだが、見渡してもいなかったのだ。
 
 疑問を抱きつつも、耀は聞き込みに集中した。
仙場耀
皆さん、ご協力ありがとうございました。
最後に、八重霧さんにお訊きしたいのですが、真夏夜和秋さんと同期の烏丸稔さんがこちらで働いていらっしゃるはずなのですが、いらっしゃらないようですね。部署移動されたんですか?
八重霧晋
いえ、部署移動ではなく、真夏夜の事件の日に刑事さんの聞き込みに応じていたんですが、その翌日に一身上の都合で会社を辞めたいと退職願を提出して、会社を辞めました。
仙場耀
会社を退職ですか……。
ちなみにですが、今の勤め先はご存じですか?
八重霧晋
誰も知りません。
仙場耀
そうですか。
皆さん、お忙しい中ありがとうございました。
私はこれで失礼致します。
 会社を出ると安斉が待っており、耀は見て見ぬふりをして歩き出すと安斉が小走りで近付き、耀についてきた。
仙場耀
はぁー。しつこいぞ、安斉。
お前は俺のストーカーか?
安斉
ストーカーだなんて、失礼だなぁ〜。
で、何か情報は収穫できたのか?
仙場耀
うるさい。
お前には関係ないだろ。
 耀は早歩きで安斉から離れようとしたが、安斉も早歩きでついてくる。
安斉
冷たい態度をとるなって〜。
仲良くいこうじゃないか〜。
仙場耀
無理だ。
俺は、先に戻るからついてくるな。
仙場耀
お前はまだ仕事があるんだろ?
安斉
ちぇっ、バレたか〜。
仙場耀
お前は顔に出るタイプだ。
新たな情報を収穫できたなら、俺についてくるな、そして早く行け。
安斉
分かったよ、じゃあな。
 すると、安斉は進行方向を変えて歩いていった。

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