勝手に食べ始めるお姉ちゃんを横目に見て、
玄関のドアを開けた。
......え? るぅとくん怒らせるって、
一体何やっちゃったわけ?
***
簡単に言って、ころちゃんがるぅとくんの
ものを勝手に食べてしまったらしい。
たった今、そのことにるぅとくんが気づき、
朝ごはん抜き、問答無用でシェアハウスを
追い出された、という事だった。
...そう。
明らかに物がほとんど入ってない。
その質問に、ころちゃんは笑顔で答えた。
どうりで忘れ物がなくて鞄の中が
すっからかんなわけだ。
話しながら用意していた、トーストと
カップスープを、空いているダイニングの
椅子の前に置いた。
持っていたスクバを放り投げて
椅子に座ると、元気よく手を合わせて、
朝ごはんを食べ始めた。
時間になって、家を出る。
る、るぅとくん?
私たちに向けた笑顔はいつもの優しい
やつだったけど、
ころちゃんには.......
すっごい怖い笑顔だったの、見ちゃったよ?
なんて思ったのは口に出せなくて、
いつも通り『おはよう』って言って、
いつも通り学校へ向かった。



















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。