第12話

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2025/03/30 09:27 更新

このまま、鬱くんの寝顔を見ていたい
ところだけど今日は大学があるので、眠い目をこすりながら体を起こす



顔を洗うため、洗面所の鏡を見ると、今日の寝癖も現代アートすぎる



こりゃ酷いな、早く準備しないと






昨日の私よりはるかに人として認識できる顔になった



大学行くだけだってのに、気合い入っちゃうんだよなぁ、それ以外用事ないくせにさ、



前髪を整えていると、
ガタッと物音がした



鬱くん起きたかな
ut
んー、おはよあなたちゃん
今日は朝早いなあ
あなた
おはよー、
早めに起きれたんで電車余裕です
ut
お、えらいな

顔を洗ってる鬱くんを横目に、
部屋を出る



寒いだろうから、上着はもこもこのやつにしよ
ut
もー家出るん?
はやない?

もう行くん?と
鬱くんは顔をしかめる
あなた
うん、遅刻したら元も子もないし、
今日は朝ごはん向こうで食べるからー
ut
へー、意識高い系大学生やな
あなた
月曜日だけね、
鬱くんはいつも意識低いけど
ut
生意気な女やで、ほんま

にまっ、と鬱くんは笑う



そんな目で私を見ないで欲しい
従順な女になれなくてごめんね、
なんて思ってしまうのは
私がひねくれているからだろうか
あなた
どうせ私は生意気だよ
ね、鬱くんこっち来てー

手招きをして、鬱くんを玄関に呼ぶ
はいはーい、と何も考えてなさそうな鬱くんが
眠そうに、言われるがまま私の元に来る
あなた
いってきますのちゅー、してよ
私の突拍子もない言葉に驚いたのか、
鬱くんは吹き出す
ut
ふっ、そんなの言うん初めてやんけ
ええで、したる

そう言い、鬱くんは私の額に
チュ、とキスをする
あなた
違うよ、
そっちじゃない

私が拗ねていても、鬱くんは調子が良さそうに
ut
えー、そうかな。まあそれはまた今度やな

と、頭を撫でる
あなた
ひどーい、
ut
なんとでも言いな、
ほら、行ってらっしゃい
あなた
…いってきます

私は扉を開いた



外は思ったよりも眩しく、光がうるさく感じたが、
それにしては風が冷たく吹いていた



玄関の鍵は、以前鬱くんと買った何だか分からないキャラクターのキーホルダーがついている。
、紐が取れかけてるのはどうにかしなきゃな



とにかく、私は紐の取れかけているキャラクターをカバンに突っ込み、片手に持っていたカイロを握りしめながら駅へ向かう




いつも通り、この時間は人が多いな、


月曜の通勤ラッシュなんて、
考えたくも無い表情のサラリーマンが
考えたくないほどウヨウヨしてる



気持ちはわかるよ、けど私は月曜よりも
火曜日の方が嫌いだから、
なんか先が長く感じるから辛い



改札を通るその瞬間も、
我々日本人は辛いものがあるのだ








あ、ちょっと待って!残高不足だ…


あなた
スミマセン、スミマセン…

ひゃあー、恥ずかし
いつかの私何で残高足りないこと知ってて、
お金入れてないんだよー



私は泣く泣くカードにお金を入金した



よし、今度こそは大丈夫
ピッと、聞きなれた音が鳴る



少し安堵しながらも、早歩きになる
残高不足で時間を大幅にロスしてしまった
席、空いてるかなあ





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