第8話

♬〃࿐♬*°
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2025/11/25 02:55 更新



ドアが閉まる音が、
やけに大きく響いた。



まるで外の世界を断ち切ったみたいに、部屋がしんと静かになる。




その静けさに、自分の呼吸の熱さが際立った。




私はガスマスクに手を伸ばす。

金具を外す指先が少し震えていて、
それが今日の疲れなのか、別の理由なのか、自分でもわからない。





ガスマスクを持ち上げると、

こもっていた熱が頬から一気に解放され、

首筋までじわりと涼しい空気が触れた。






次に上着を脱ぐ。



肩を抜く動作に合わせて、
胸が柔らかく揺れる。


汗を吸ったインナーが胸を離れるときの“ぺたり”とした音が、
妙に生々しくて、部屋に落ちた。



ブラ一枚になった胸が、
呼吸のたびにゆっくり上下し、
シーツよりも温かい空気を部屋いっぱいに広げていく。




短パンを下ろすと腰のラインが出て、

太ももに触れた冷気が、ぞくりと肌を走った。



そのままベッドに倒れ込むと、

胸がふわりと揺れて自然に落ち着く場所へ流れ込む。


シーツの冷たさと、胸の温度差が鮮明で、
思わず小さく息が漏れた。


(なまえ)
あなた
はぁ…疲れた




部屋の時計が静かに日付を跨いだころ、私はゆっくりと立ち上がった。



一日の終わりを告げるように、深く息をひとつ吐く。





洗面所に向かい、淡い照明の下で歯ブラシを手に取る。

リズムよく磨きながら、今日の出来事を自然と思い返す。



口をゆすいで顔を上げると、鏡の中の自分はどこか疲れていて、仮面をつけているように見えた。






次に、髪をブラシで丁寧に梳かす。

根元から毛先へ滑らせるたび、絡まりがほどけ、
気持ちまで静かに整っていく。


整えられた髪を手で軽く整えて、照明を落とした。



部屋に戻ると、ベッドの毛布が柔らかく沈んでいた。



空気はひんやりしているのに、その場所だけは温度を保っているようで、



自然とそこに身を預けたくなる。




毛布の中へゆっくりと潜り込む。

柔らかな暗闇に包まれると、肩の力がほどけていく。
締め付けから解放されたい気持ちで、
布の中で手を動かし、静かに下着を外した。




誰に見せるわけでもなく、ただ心地よく眠るための習慣。…けど寒くなったらさすがに辞めている。



ふっと胸の重みが緩み、呼吸が深くなる。

毛布を胸元まで引き寄せると、

静けさだけが寄り添ってくる。




そうして、毛布の中で体勢を少しだけ整える。

枕に頬を預けると、柔らかい感触がこめかみを包んだ。


部屋の静けさは深夜のそれで、遠くの機械音がわずかに響くだけ。




けれど、その微かな音さえ子守唄のように感じられる。



呼吸はゆっくり、自然と深くなっていく。
胸の上下が柔らかいリズムを刻み、
ちょうどよい温もりが全身に広がった。












明日もまた掃除屋として動く。












ひとつひとつが淡く浮かんでは、ゆっくりと沈んでいく。

毛布を軽く握りながら、もう一度深く息を吸う。



体の力が抜けると、
心の奥まで静かに温まるような感覚が広がった。




まぶたを閉じると、暗闇は怖くなくて、

むしろ私みたいな人間に優しく寄り添うみたいだった。












そして――


そのまま穏やかに、眠りへと落ちていった。







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