第31話

⚔️💚 【曲パロ】翡翠のまち7
292
2023/07/31 12:00
※前回の続きから
見てない人はそちらを先に見てください!!
しゆん
しゆん
…………ねぇ、あなた?
空気が変わった。
いや、そんな気がしただけかもしれない。
でも、私を見つめるしゆんくんはどこか顔つきが変わっていた。
(なまえ)
あなた
……なぁに?
しゆん
しゆん
翡翠ってさ、知ってる?
(なまえ)
あなた
翡翠?あのしゆんくんが言ってたやつ?
(なまえ)
あなた
翡翠のまちがどうとか……
しゆん
しゆん
そうだけど、そうじゃない、かな
(なまえ)
あなた
しゆんくんの言ってる意味がよく分からなくて頭にはてなを浮かべる。
そんな私の気持ちが顔に出てたのか、しゆんくんはくすりと笑ってバッグから1つのブローチを取り出した。
(なまえ)
あなた
きれい………………
考えるよりも先に口が動いた。
しゆん
しゆん
だよなw
そう言ってしゆんさんが嬉しそうに笑う。
そんな顔を見るのは初めてで不覚にもドキッとしてしまう。
(なまえ)
あなた
?!…………//
しゆん
しゆん
え?なんで顔赤くなってんのw
(なまえ)
あなた
はっ……?!いや、暑かっただけだし!
焦って思わず訳の分からないことを口走ってしまった。
何言ってるんだろう。今はまだ春とはいえ全然寒いのに。


でも何故か顔が熱い。
本当に赤くなってる気がする。
そんな顔をしゆんくんに見られたくはなくてブローチの方に顔を向ける。



そのブローチは、鳥のような形をしていて、鳥の目の部分に深緑色の宝石が埋め込まれていた。
羽の部分も青緑になっていて、背景がうっすらと透けて見える。
そこも充分に綺麗だったが、何より宝石に目を惹き付けられる。
その宝石は何とも言えない魅力があって一瞬で心を奪われた。
すると、しゆんくんがその宝石を指さして言った。
しゆん
しゆん
これが翡翠。
(なまえ)
あなた
ひ、すい…………
思わず名前を口に出す。
しゆん
しゆん
しゆん
しゆん
どっかでは金以上に人気だったんだって
あんま覚えてねぇけどwとしゆんくんは笑う。
(なまえ)
あなた
なんか…………しゆんくんみたいだね
しゆん
しゆん
どこがw
(なまえ)
あなた
ん〜…………いろ……もだけど、深くて何もわかんなそうなのに1部だけ見えてて…でも、全部は分からなくて……
途中で自分が何を言ってるのか分からなくなって黙り込む。
しゆん
しゆん
あり…がと?w
沈黙から抜け出そうとさっきの気持ちに当てはまる言葉を探す。

少し悩んで出てきた言葉は、単純だけど他のどんな言葉よりしゆんくんに合っている気がした。
(なまえ)
あなた
…………うん、かっこいい、かな
しゆん
しゆん
え?、
(なまえ)
あなた
なんて言ったらいいのか難しいけど……
(なまえ)
あなた
しゆんくんも。この、宝石も。


































(なまえ)
あなた
かっこいいな
しゆん
しゆん
………………………………………………
気を悪くしたかも知れない。
おどおどしながらしゆんくんの顔をソーっと覗き込むと、しゆんくんは静かに泣いていた。
(なまえ)
あなた
え……………………………………
しゆんくんが泣くのを見るのは、初めてだった。



















あれから数分がだってしゆんくんの涙が止まってきた。
(なまえ)
あなた
…………………………………………………
なんて声を掛けたらいいのか分からず、言葉を探しているとしゆんくんがゆっくりと口を開いた。
しゆん
しゆん
…………俺、母親似なんだよ
(なまえ)
あなた
え?
何の話か分からず疑問を口にする。
しゆん
しゆん
ごめん、わかんないよなw




しゆん
しゆん
俺の母親は、物凄く顔が整っていていかにも綺麗な女性っていう顔立ちだった。
子供の俺が言うのもなんだけどwとしゆんくんは笑う。
しゆん
しゆん
その母親に似た俺は、女の子っぽい顔立ちをしてた。
しゆん
しゆん
それに加えて髪が長いから小さな頃からよく女の子に間違えられててw
しゆん
しゆん
……………それだけだったら…よかったんだよ……
すると、しゆんくんはポツリポツリと話し始めた。
しゆん
しゆん
小4に入ったあたりから…俺は虐められるようになった。
馬鹿にされるの方があってるかなwとしゆんくんは笑う。
しゆん
しゆん
女みたいだーとかしゆんちゃんだとか、w
馬鹿みたいないじめで、、
しゆん
しゆん
でも、きっとその時の俺は辛かったんだと思う。
しゆん
しゆん
母親の事は好きだったから自分の容姿は嫌いなはずじゃなかったのに……






しゆん
しゆん
いつしか俺は自分の顔が、身体が、容姿が嫌いになってた。
しゆん
しゆん
女みたいだと言われたくなくて。
しゆん
しゆん
可愛いなんて言葉は求めてなくて。
“ただ”
しゆん
しゆん
自分が自分で在りたいだけだった。



すると、しゆんくんはこちらに向き直り口を開く。
しゆん
しゆん
あなた
(なまえ)
あなた
ん?
しゆん
しゆん
ありがとう。俺を見てくれて。
(なまえ)
あなた
…………………………………………うん

















しゆん
しゆん
俺たち、戻れるのかな
ゆずは
ゆずは
ごめんなさいw
ゆずは
ゆずは
全話に、【次回最終話】なんてかっこつけたくせにまだ最終話じゃなかったです(
ゆずは
ゆずは
あと、今回長かったんですけど、翡翠の説明はどうしても入れたくて……!
ゆずは
ゆずは
ちなみに翡翠のお写真↓↓↓
ゆずは
ゆずは
ブローチに出てきた鳥は、翡翠(かわせみ)と言って、羽の色が似てることからこの宝石に翡翠(ひすい)という名前がつけられたそうです
ゆずは
ゆずは
では今度こそ最終話に会いましょう!
次回「翡翠のまち」最終話
𝐓𝐡𝐚𝐧𝐤 𝐲𝐨𝐮 𝐟𝐨𝐫 𝐰𝐚𝐭𝐜𝐡𝐢𝐧𝐠.

プリ小説オーディオドラマ