第43話

42話
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2025/06/17 04:36 更新
あなた
ご…ごめんさな…っ












彼のあまりの剣幕に、思わず涙目になりながら謝る。












五条悟
…!
五条悟
……おい、こんな場所で泣くな…
あなた
っ…ご…ごめんなさい…
五条悟
あー…………悪い、キツく言いすぎた。
あなた
いえ…っ…私が勝手に…出て来ちゃったから…
五条悟
……












彼は頭を搔くと、バツが悪そうに聞いてきた。












五条悟
…何で一人で出て行った?
あなた
っ…ね、猫…
五条悟
……なんだって?
あなた
猫が…いて……触ってみたくて…
五条悟
……………












そう言えば彼は無言の後、頭を抱えた。













五条悟
そうだった…こいつ隔離されてたんだった…
あなた
…?
五条悟
…まあ反省してんならいい。買い物も元々こっち方面に来る予定だったからな。
五条悟
傑呼ぶから、絶っっっ対俺から離れんなよ
あなた
はい…!












しっかり返事をすれば、彼は夏油さんに電話をかけ始めた。












五条悟
…あー傑?見つかったからさっさと買い物済まそうぜ。
五条悟
ここ?えーっと…












電話をしている彼を見上げていたが、周囲に人が集まって来ている事に気づき、辺りを見渡す。












女性
…あ!こっち見た!
女性
うわぁ…レベル高すぎ…
女性
無理無理、諦めよ?
女性
あんな子が近くにいるなら、私らにチャンスないってー。
男性
おい…男いんじゃん。
男性
やっぱああいうのは同類とくっつくんだよなー…
男性
行こうぜー。












人が集まっては散っていき、集まっては散りを繰り返していた。












五条悟
お前…












いつの間に電話を終えたのか、彼が周りを見ながらそう言葉をこぼした。











五条悟
……
あなた












彼は私を見て口角を上げる。












五条悟
俺らお互いに最強の虫除けだな。
あなた
…???












何故か満足げな彼に、理由が分からず首を傾げた。












夏油傑
…!悟!
五条悟
お、来た来た。












そうなこんなしていると、しばらくして夏油さんが歩いて来た。












夏油傑
よかった、無事だったんだね。
夏油傑
何事もなくて良かったよ。
あなた
はい…すみません、ご迷惑を…
五条悟
まあもう少しで何か起きそうだったけどな
夏油傑
夏油傑
何かあったのかい?












夏油さんがそう聞くと、彼は呆れたような表情をしながら私を指さす。












五条悟
こいつあのド田舎でぬくぬく育ったもんだから、世間知らずもいいところだろ?
五条悟
俺があと少し遅かったら、大人しくナンパに着いて行くとこだったんだぜ。
夏油傑
……












彼の言葉を聞いた夏油さんは一度目を閉じてフッと笑うと、こちらに近づいてきて私の両肩をガシッと掴んだ。












あなた
…?
夏油傑
…あなたちゃん。
あなた
は、はい。












夏油さんは少し屈んで私と目線を合わせる。












夏油傑
…いいかい?
夏油傑
どんなに良い人そうでも、知らない人には着いて行ったらダメだ。
夏油傑
名前を教えるのもダメ、無理矢理連れて行かれそうになったら、大声を上げるんだ。
夏油傑
なんなら殴ってもいい。絶対に逃げるんだ
夏油傑
いいね?












とても険しい顔をしながら、そう私に言ってきた。













その圧に思わずたじろく。












あなた
い、良い人そうでも?
夏油傑
良い人そうでも、だ。
夏油傑
そういう顔した奴の大半はクズだから。
あなた
…?
あなた
じゃあ夏油さんもクズなんですか?
五条悟
ブフォwww












私の言葉にすかさず彼が吹き出す。













当の本人である夏油さんは一瞬驚いたような顔をして、その後に優しく笑った。












夏油傑
嬉しい事を言ってくれるね。
夏油傑
でも私はこの顔の通り、正真正銘の"良い人"だよ。
五条悟
はぁ?どの口が__
夏油傑
それに私はもう知らない人じゃないだろ?












彼の言葉には聞く耳を持たず、夏油さんが話し続ける。












あなた
そう…ですね。
あなた
夏油さんは優しいです。












微笑みながらそう言えば、夏油さんは嬉しそうに微笑んだ。












夏油傑
そう…ありがとう。
五条悟
俺何見せられてんだよ。















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