彼のあまりの剣幕に、思わず涙目になりながら謝る。
彼は頭を搔くと、バツが悪そうに聞いてきた。
そう言えば彼は無言の後、頭を抱えた。
しっかり返事をすれば、彼は夏油さんに電話をかけ始めた。
電話をしている彼を見上げていたが、周囲に人が集まって来ている事に気づき、辺りを見渡す。
人が集まっては散っていき、集まっては散りを繰り返していた。
いつの間に電話を終えたのか、彼が周りを見ながらそう言葉をこぼした。
彼は私を見て口角を上げる。
何故か満足げな彼に、理由が分からず首を傾げた。
そうなこんなしていると、しばらくして夏油さんが歩いて来た。
夏油さんがそう聞くと、彼は呆れたような表情をしながら私を指さす。
彼の言葉を聞いた夏油さんは一度目を閉じてフッと笑うと、こちらに近づいてきて私の両肩をガシッと掴んだ。
夏油さんは少し屈んで私と目線を合わせる。
とても険しい顔をしながら、そう私に言ってきた。
その圧に思わずたじろく。
私の言葉にすかさず彼が吹き出す。
当の本人である夏油さんは一瞬驚いたような顔をして、その後に優しく笑った。
彼の言葉には聞く耳を持たず、夏油さんが話し続ける。
微笑みながらそう言えば、夏油さんは嬉しそうに微笑んだ。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。