その言葉を聞いた瞬間、頭の中が真っ白になった
まるで、ステージの照明がすべて叩き割られたような衝撃
世界で一番守りたかった女の子が、少しずつ、
俺の手の届かない場所へ、消えていく
神様なんて信じていなかったけれど、この時ばかりは
呪いたかった
自由奔放に生きていた俺への罰なら、俺の声を奪えばいい
俺の足が動かなくなればいい
なのに、どうして彼女から『思い出』を奪うんだ
俺と出会ったあの日も、初めてキスした夜も、全部『なかったこと』にされるなんて、
そんなの
残酷、だよ⋯⋯
でも、
気づけば、いつもの『羽風薫』を演じていた
泣き出しそうな彼女を安心させるために、最高の笑顔を作って、軽やかな声を出す
これがアイドルとしての、
俺の技術だ
けれど、握りしめた彼女の肩が、小刻みに震えているのが伝わってきて、
胸が引き裂かれそうになる
病院の長い廊下を歩きながら、
俺は決めていた
大丈夫、大丈夫だよ。あなたの下の名前
サングラスの奥で、熱いものが込み上げるのを必死でこらえる
今日から、俺の『本当の戦い』が始まるんだ
あなたの下の名前が忘れていくスピードがよりも速く、
俺が新しい思い出を作って、愛し続ける
⋯⋯たとえそれが、














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。