着替えや書くのに必要な道具・ゲームなどをなんとなくまとめて、
私の車につめる。
そのセリフは何度聴いても慣れない。
2年も経ったのに。
私の世界観を理解してくれているし、水瀬くんといるとおちつく。
もちろん、恋愛感情はない。
ちょうど良い人間関係だと思う。
住宅街に入ってきて、でっかい一軒家が見えてきた。
どんな人が住んでるんだろう?
どうせ、お金持ちなんだろうな。
なんて、思いながら運転していく。
本当は水瀬くん、財閥とかなんかのお偉いさんの息子だったりして。
結構声に出てること多くて、水瀬くんはもう慣れている感じ。
だけど私的には、まだ恥ずかしい。
本当に大丈夫かなぁ。
ってきり、知り合いが居るから水瀬くんが紹介してくれる
ような形なのかと思ってたのに。
水瀬くん、人見知りだって知ってるのにそう言ってくるから意地悪。
でも、わざわざ私の為に頼んでくれたし、それくらいするか。
車から降りて、家の入口に近づいていく。
インターホンを押そうとするだけで緊張して
ーピーン、ポーン
-ガチャ
ドアから現れたのは私の知っている人だった。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!