ーガチャ
私の姿を見て驚く赤葦さん。
高校時代とはちょっといや、まぁまぁ違うから。
といっても、黒髪を茶色に染めて、カラコンをつけているくらい。
でもその場合、何で黒尾さんは分かってくれたんだろう?
そう言われ、急に赤葦さんに手を握られてびっくりする。
ハッとして、私から手を離す。
そして、私の瞳を見ていう。
ポーカーフェイスな赤葦さんが声をあげて驚いてる。
それにしても、何で作家の私を知ってるの?
表彰式はカラコンの色を変えて、メイクもしてもらったから
あまり気づかれることはない。
天空先生のマネージャー出来て?
ってことは…
憧れなんて、恐れ多い。
赤葦さんは、ポーカーフェで、
頭の回転が早くて高校時代は、羨ましいなぁ。
とか、思ったり。
胸に手を当てて、よれよれしていく赤葦くん。
大丈夫そうかなぁ?
そう、日向は私の憧れの人だ。
日向はいつも前向きで、一生懸命頑張れて、
こそこそ小説をスマホでかいている私とは違って。
そんな明るさが私を引っ張ってくれて、元気をくれて。
そんな日向はとても輝かしく見える。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!