ルカ先輩は、魁斗先輩から説明されても、頭にはてなを浮かべている。
(……私も、食べたことないから…ちょっとだけ、心に刺さるな…)
(い、いちごバナナ……なんて…?呪文、みたいだな…)
それぞれクレープを受け取った私たちは、雑踏を逃れるように、裏道へと移動した。
(こう、食べる…のかな……?)
魁斗先輩とあなたの特待生の名前さんの食べ方を見よう見まねで真似して、クレープを食べてみる。
その言葉を最後に、無言でクレープを食べ続けると、ルカ先輩が不思議そうにクレープを見ていることに気づいた。
ルカ先輩は少し迷った後、クレープにかぶりついた。
笑いながら、魁斗先輩はスマホを取り出す。
そして、ルカ先輩の写真を何枚も撮り始めた。
制服で寄り道をして、みんなでクレープを食べる。
まるで普通の放課後のようで、今が任務中であることを、うっかり忘れてしまいそうになる。
(……勉強、ちゃんとしないとだな…)












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。