おんりー視点

待ち合わせ場所には多くのカップルがいる

今日はクリスマス当日

少し早く着いてしまった俺はポケットに手を突っ込み白い息を吐く

夜ご飯食べてから一緒にイルミネーション見るってことになった

もし、俺が可愛い女の子だったらナンパされたりして、おらふくんが助けてくれたり...なんて、有り得もしない妄想心が生まれてくる

ナンパされたら普通に怖いし

お、俺！？

出会ってから数日でだいぶ仲良くなった

おらふくんの性格もだいぶわかった

おらふくんは天然でちょっと変わった人

そして優しく少し人見知り

仲のいい人にだけ見せる一面がある

ものすごく素直、天然たらしだ

この何気ない仕草一つ一つに惹き付けられたのだろう

この真っ直ぐな目で見つめられたら照れるしかない

これは俺の負けず嫌いな心が“仕返し”するしかないと声を上げていた

普段絶対に言わないことだ

少し頬が赤く染っていた気がしたが、すぐいつもの天真爛漫な笑顔に戻った

本当にその通りだ

どうして自分が照れているのだろうか

そっぽを向いた時、丁度イルミネーションが華やかに輝いた

どうしよう、このまま告白してもいいけど

でも、今の関係が壊れたくない

これで失敗して、気まずくなって話さなくなっちゃう...そんな未来が怖い

この言葉を脳が理解する前に俺の口が動いていた

おらふくんが一瞬、思考停止したが気にせず続ける

こんなところで俺の負けず嫌いが出てしまった

おらふくんの赤く染った頬に1つキスをする

少し悔しがっているのか、俺はその顔を見てなんだか嬉しくなった

君は俺が一番好きな可愛い笑顔で答えた