おらふくん視点
静まり返った図書室
ここにいるのは僕と僕の好きな人と図書委員さんのみ
きっかけはその子が学級委員になった時
顔や話し方、話す時の間の空き具合、表情、全てが釘付けになった
目が離せられない、次第に心を奪われていった
その子を追いかけていたら図書室に入っていったので僕も入ることにした
本を読むのは苦手だが、読まないと怪しまれる
適当に面白そうな本を手に取り読む
クリスマスの話なのか?
きりすときょう?なんだそれ
え、この、きりすときょうってクリスマスに関係してんの?
思わず口に出してしまった
あ...びっくりしてる、その表情も可愛いなぁ
なんだかじっ...と見られている気がする
好きな人を見ると目が合った
ちょっと笑ってみる
こんなんで惚れたら楽なのに
君の顔が赤くなっている気がした
え、ワンチャンある?
どんどん真っ赤になっていく君
これは期待してもいいん?
今まで会った人の中で1番好き
その子が今ここにいる
絶対惚れさせる
君を見ていると、君のそばにいると、ものすごく落ち着く
本に集中出来ないくらい好き
頭の中は好きでいっぱい
話しかけてくれたらな、有り得もしないことを思う
え!?話しかけてくれた!?
待って、めっちゃ嬉しい...
でも平常を装って...
君に似ている男子を指す
頬が自然に緩む
少しからかってみる
どんどん赤くなっていく君
君は少し蕩けている
あぁ、可愛い
そんな顔もできたんや
君を僕に寄せ額を合わせる
君はプシューと音がなるほど顔を真っ赤にさせ、僕に身を寄せた
保健室連れていかなきゃ
ぐったりしている君を姫抱きして保健室に連れて行く
30分くらい可愛い君の顔を見つめていたら、君は目を覚ました
寝起きの君も可愛いなぁ
君はちょっと頬が赤い、それも可愛い
いい子すぎる...
今日はもういっか、話せたし
スマホのデジタル時計を見る
僕の言葉を君は遮った
こんな積極的だったなんて
できるだけ優しく声をかける
迷っているような表情も可愛い
好き、大好き、頭の中はそればっかり
君が口を開いた
何を言い出すかと思えば、何その可愛いお願い事
遊びに誘われていたが「行けたら行く」って答えておいてよかった
念の為にスマホのカレンダーを見る
何も書いていない
自然と口角が上がる
君は頬を染めるがほっとしている方にも見える
可愛すぎて、つい、頭を撫でてしまう
荷物を持ち、ドアを開けた
一旦立ち止まり、後ろを向いて君を見る
ドアを閉め、廊下に誰もいないことを確認し、ズルっと壁に体重をかけ地面に座り込む
我慢していた照れをさらけ出した
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。