それから数日、桜樹組総出での大捜索が行われた。
秘密裏に他の組にも手伝ってもらい
なんとか1つ痕跡を見つけた。
そこにはあの日贈った、藤のピアスと指輪が
ボロボロの状態で放置されていた。
狭い路地裏、男に押し込まれたら勝てるわけが無い。
少しだけ血痕も伺える。
あぁ、嫌な想像をしてしまう。
無意識に手に力を込めた。
その手には、血が滲んだ。
捜索が始まってから、2週間。
連れ去ったヤツの仲間を見つけた。
俺は我を忘れて殴った、それを止めてくれたのは葵さんだった。
やっとだ。やっと見つけた。
血塗れになったが、気にしない。
今は一刻も探さなければ。
カランカランッ
ドゴッ
手当たり次第に扉を開ける。
いくつかの扉を開けた後、不自然な階段を見つけた。
…血の匂いがした。腐敗臭も。
嫌な考えがまた頭をよぎる。
考えたくない、でも、
階段をおりた先、そこには足首と手首に鎖を巻かれ
ベットで力なく座っているあなたの姿だった。
目に光がない。暖かいのに、死んでるみたいだった。
キラキラと笑い、優しく語りかけるようなあなたは
どこにもいなかった。
ただ、目の前の時が過ぎるのを待っているような
なんの希望も持っていないような目をしていた。
俺は、彼女を抱きしめた。
それから、彼女の指に、指輪をはめる。
そうして、手を引こうとしたところだった。
今、俺の中の殺意が動き出す。
コイツを、殺さなければならない。
そう確信した。
𝙉 𝙚 𝙭 𝙩 ↪︎













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。