俺は店内をうろつく。
ふと、一つのものが目に止まる。
バラバラの球体関節人形だ。
ドールの頭を手に取る。
髪は大体黒色だが、毛先の方にかけて、赤色のグラデーションがかっている。ウィッグではなく、植毛の様だ。
目は瞑っている。
ドールなんて、興味無い。
でも、何故か欲しくなってしまった。
俺は店員さんに話しかける。
俺はアンティークショップを出て、コンビニへ行き、お金を引き出す。
何か、買いたいものが出来た時の為に、お金を貯めておいたのだ。
そしてアンティークショップへ戻る。
俺はサイフから現金を出し、店員さんに渡す。
ドールを気泡緩衝材に包み、紙袋に入れて渡してくれた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!