生Ver.
あなたの下の名前side
刀也の電話を切り、一息つく。
もう終わりか、早かったな。
短い割には結構色んな経験をした。
...楽しかったのかもしれない。
そんな事思ったらだめ。どうせまたすぐ死にたくなるんだ。
なら今すぐ死んだ方がいいだろ。
感情が高ぶっているため、正しい事が考えられなくなっている。
少し外を見て落ち着こう。
外に出て空を見上げる。
雲が流れていく。少し肌寒い。
もう少ししたらあそこに居るのかな、なんて考えが出てくる。
でも...もう少し地上で空を見上げていたい。
しばらく見ていると、少し離れた所から荒い息遣いが聞こえる。
どうやら刀也が来たようだ。
刀也が俺の腕を引っ張って部屋の中に放り込む。
刀也が俺を抱きしめる。俺の耳元で鼻をすする音が聞こえる。
どうやら泣いているようだ。
刀也は少し嗚咽を漏らしながら静かに泣いていた。その間、俺は刀也の背中を一定のリズムで優しく叩いた。
刀也の嗚咽が寝息に変わった。
俺はまだ死にたいと思っている。でも、今は俺の腕の中にあるものを守らなければならないと思った。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。